食材の値上げ…給食への影響は?「揚げ物は控える」「パンの個包装やめる」沖縄県内の市町村、対応に苦慮

 食材の高騰が続く中、給食の材料費も値上がりしている。本紙が県内の全41市町村に給食費への対応について尋ねたところ、17市町村で国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(地方創生交付金)を給食費に活用したり、安い食材を求めて仕入れ先を変えたり、保護者負担を増やさないよう工夫していることが分かった。中には、手数料がかかるパンの個包装をやめたり、油の値上がりで揚げ物を控えたりしている。市町村の担当者らは頭を悩ませながら、対応に苦慮している。
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 23年度の給食費についての本紙調べによると、36市町村が保護者負担の据え置きか無償化を維持し、値上げはしない方針。5市町村は、次年度についてまだ決まっていない。  国の地方創生交付金を給食費に活用し、保護者負担をゼロにしている町村は中城、与那原、渡嘉敷、座間味、久米島、竹富の6町村あり、那覇市と浦添市は来年1~3月は同交付金で無償とする。
 ただ次年度に交付があるかは現時点で不透明で、交付がなくなった場合は、保護者負担へ戻る可能性もある。
 各市町村の担当者からは「油の高騰で揚げ物を焼き調理にした」(南風原町)、「パンの個包装や切り込み作業をやめ、手数料を削減」(沖縄市)、「なるべく価格を抑えた食材を使い献立を工夫する」(大宜味村)との声も。北大東村は「前年度に比べ、本年度は年間で30~50万負担が増える見込み」と話し、増加分は地方創生交付金から充てる。
 保護者からは「自治体間で差があるのは納得いかない」「家庭でも厳しい状況が続いている」との声も聞かれる。
 松本哲治浦添市長、徳元次人豊見城市長らは議会などで「玉城デニー知事の公約の給食費無償化に期待したい」と話した。  11月17日~12月8日にかけて、全市町村の給食担当者に電話や対面で取材した。  (照屋大哲)
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