韓国現代自動車の株価、米国の「制裁」受け今年最低値を更新

米国の「自動車制裁」を受け、同国での実績に打撃を受けている韓国現代自動車の株価が今年最低水準となった。

(参考記事:韓国製EV、IRA法影響受け米市場での勢い失速

19日、韓国取引所によると現代自動車の株価は前取引日比で1.56%下落となる15万7500ウォンで取引を終えた。過去52週間で最低の価格を更新した。下落基調は20日も続き、同9時半現在で15万5500ウォンまで下げ、さらに最低値を更新している。

現代自動車傘下の起亜自動車も同2.81%下落となる6万2300ウォンで19日に取引を終え、過去52週間の最低価格である6万1800ウォンに近づいた。結局、20日9時半現在は6万1200ウォンに下落し、同最低価格を更新した。

アイオニック5/HYUNDAI

これら韓国車株の下落は、韓国産電気自動車(EV)を補助金支給対象から除外した米国のIRA法案(インフレ削減法)の影響を受けたものであり、韓国の自動車業界の市場シェアが低くなるという懸念が浮上しているためだ。

IRAは、米国現地で生産された電気自動車、米国産バッテリー素材が一定基準以上含まれている車両に限り、日本円で約100万円の税額控除(補助金)の恩恵を与える法案だ。

韓国経済紙などによると、投資家たちはIRA施行で「補助金差別」が現実化する場合、条件を満たさない現代車、起亜など韓国企業の打撃が避けられないと見ているようだ。

実際、米国内の現代自動車と起亜自動車の販売量はIRA施行以後減少傾向を見せている。 先月、現代自動車の専用電気自動車「アイオニック5」の米国販売量は1191台となり、前月(1579台)比で24%減った。 起亜の「EV6」も641台と前月(1186台)の半分水準に落ちた。

一方、韓国政府と現代車は、米ジョージア州に建設中である現代の電気自動車工場が完工する2025年までの3年間、北米地域で最終清算された電気自動車に対して補助金を支給するよう米政府に働きかけている。

(参考記事:米政府、韓国EVへの差別規定に「すぐに解決する事ではない」
(参考記事:韓国製SUV「スポーテージ」が日本・欧州車を制しスペイン・ギリシャで最高賞
(参考記事:韓国現代自動車がトヨタに抜かれる…ベトナム市場シェア争い

(参考記事:韓国現代自動車、フェラーリのデザイナーを引き抜き…F12ベルリネッタなど手掛けた実力者
(参考記事:米国紙「米消費者が韓国現代自動車に懲罰的損害補償を要求」「エンジン火災問題で決起」
(参考記事:韓国紙「現代自動車が米国市場で日本のホンダを超えた」「かつて《ホンダの亜流》と米国人に冷笑された」

© 合同会社WTS研究所