世界に一つの机作ろう 田辺の企業が親子体験事業

組み立てた机のサンプルを紹介する千品喜嗣さん(和歌山県田辺市新庄町で)

 和歌山県田辺市で、県産のスギを使って、親子で学習机を作る体験事業が始まった。パーツを組み立てるだけでなく、のこぎりで長さを整えたり、ドリルでねじ穴を開けたり。アレンジも多彩で、世界に一つだけの机が作れる。

 高知県本山町で始まり全国に広まった体験事業「6歳になったら机を作ろう」の和歌山版。森林サービス業「千品山林社」(田辺市新庄町)が手がけている。田辺市は面積の約9割を森林が占めており、山に関心を持ってもらうきっかけづくりにしたいという。

 机作りキットは、共催する製材業「山長商店」(新庄町)がスギの無垢(むく)材を提供し、天板だけでなく、脚の部分もスギを使用している。机は幅99センチ、奥行き60センチ、高さ70センチ。

 完成まで平均で3~4時間程度。千品山林社の千品喜嗣代表(45)は「子どもにはかなりの作業量になるが、最後まで頑張って作れば達成感がある。高校卒業まで長く付き合う学習机に愛着も湧くはず」と話す。

 千品代表は田辺市出身で埼玉県に住みながら、コロナ禍以降、地元と二地域居住をして森林の活用に取り組んでいる。「もともとは都会の人が山に遊びに来るきっかけにと企画したが、地元で活動するようになって、山が近くにあっても触れる機会が少ないと実感した。地元の方にもぜひ体験してもらいたい」と呼びかけている。

 机作り体験では、冒頭に森林の役割を紙芝居で解説。机作りだけでなく、実際に山で遊んだり、木を切ったりする「きこり・森林体験」も提供している。

 対象は6歳に限らない。小学校入学前後の子どもがいる親子、祖父母も参加できる。机作り体験は1台8万2500円(送料別。当日車で持ち帰りも可)、きこり・森林体験は1家族7700円。いずれも税込み。

 体験は通年開催予定。日程が決まっているのは来年1月21日、2月18日、3月18日。机作りは午後1時半~4時半。きこり・森林体験は午前10時~正午。開催日1週間前までの申し込みが必要。

 申し込み、問い合わせは千品山林社(090.2068.3340、平日午前10時~午後5時)へ。親子お出かけ情報サイト「いこーよ」からも申し込める。

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