製品の外観検査 AIで効率化 両備システムズ開発、先行販売中

 ソフト開発の両備システムズ(岡山市北区下石井)は、人工知能(AI)で工業製品などの外観検査を支援するシステムを開発した。カメラ付きの検査装置を持つ製造業者の利用を想定。正常な製品の画像をAIに学習させ、傷や異物の付着、部品の取り付けミスといった不良品を見分ける。検査工程を効率化するツールとして売り込む。

 検査装置とつながったノートパソコンなどに組み込んで使用する。装置のカメラで撮影した製品の画像をAIが解析し、あらかじめ学習した正常品の画像と比較。パソコンのモニターに、傷や異物といった異常箇所を赤色で表示する。画像1枚につき0.1秒程度で判定できるという。

 同社によると、AIを用いた画像解析は、正常品と不良品の画像を大量に学習させる方式が一般的で、運用の準備に時間がかかっていたという。今回開発したシステムは、正常品の画像を学習するだけで運用できる。必要な画像は、シートなど平面的な製品なら数枚で、機械のように複雑で立体的な製品なら数百枚。

 商品名は「RS―OLZONE(アールエス・オルゾーン)」。使用料は年間300万円から(導入費が別途必要)。実証実験を兼ねて先行販売中で、2023年から年間10社への提供を目指す。

 同社は「果物の虫食いを見つけるなど農業分野でも使用できる。検査を目視で行っている幅広い業種に普及させたい」としている。

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