高病原性 全国と同型 沖縄・金武鳥インフル、県発表

 沖縄県は20日、金武町の養鶏農場の鶏から確認された鳥インフルエンザウイルスについて、農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県)の遺伝子検査の結果高病原性の「H5N1亜型」と確定したと発表した。今季、国内で発生が相次いでいる高病原性鳥インフルエンザウイルスと同型だった。

 今回の感染経路は明らかになっていないが、高病原性ウイルスはカモ類などの水鳥が保有し、ロシアなど北方から冬の時期に日本に渡り持ち込まれると考えられている。発生現場の農場周辺には渡り鳥が多く飛来する水田がある。県によると、発生後の調査で、水田にカモ類が数羽いるのが確認されている。

 20日までに、発生現場から半径3~10キロ以内の「搬出制限区域」にある18農場で異常は確認されていない。殺処分した鶏の焼却や農場の消毒作業が続いており、これら「防疫措置」は21日午後9時をめどに完了予定となっている。21日に完了した場合、搬出制限区域は31日まで、半径3キロ以内の「移動制限区域」は年明け1月10日まで続き解除される。

 玉城デニー知事は20日に県庁で開いた対策本部会議で、養鶏農家に対して飼養衛生管理基準の順守や、異常があった場合の早期通報を改めて呼び掛けた。 (當山幸都)

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