引きこもり生活を続けた272キロの男 家族との絆を取り戻そうとする最期の5日間 「ザ・ホエール」公開

「ブラック・スワン」「レスラー」のダーレン・アロノフスキー監督、「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザー主演映画「ザ・ホエール」が、2023年4月より劇場公開されることが決まった。

「ザ・ホエール」は、自宅のソファからほとんど動かず、引きこもり生活を送り続けた結果、重度の肥満症となったチャーリーを主人公とした作品。心不全を患い自身の死期が近いことを悟ったチャーリーは、過食の原因ともなった長らく押し込め続けたトラウマと向き合うことを決意。自らが壊してしまった家族、疎遠だった娘との絆を取り戻そうとする彼の最期の5日間を描く。

主演は、ハリウッドの表舞台から長らく遠ざかっていたブレンダン・フレイザー。272キロの巨体の男チャーリーになりきった演技は、先日ノミネーションが発表されたゴールデン・グローブ賞で、主演男優賞にノミネートされた。「ストレンジャー・シングス」シリーズの若手女優セイディー・シンク、「ザ・メニュー」「ダウンサイズ」のホン・チャウらが脇を固める。監督は2017年の「マザー!」以来となるダーレン・アロノフスキー。原作は、劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇で、アロノフスキー監督は舞台を見た日から構想を温め続け、10年余りの時をへて映画化を実現した。

容姿、内面とも弱い姿を完全にさらけ出すことを求められたブレンダンは、「この役を演じるのが怖かった。自分の限界を越えて深く掘り下げ、わたしのすべてを見せたつもりだ。それがこの映画に焼き付いているよ。あまりにハードでパーソナルな経験だったから、撮影の前と後では違う自分になっていた。このチャンスに感謝している」と語っている。

アロノフスキー監督は本作について、「この映画の登場人物たちは善人でも悪人でもない。僕らと同じようにグレーゾーンの中で生きていて複雑だ。それでも皆お互いに対してのエンパシー(思いやり)を抱いている。以前よりも人々が互いに背を向けているような今だからこそ、重要な問いかけだと思う」とコメントしている。

【作品情報】
ザ・ホエール
2023年4月、全国ロードショー
配給:キノフィルムズ
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