英王立研究所「韓国船が北朝鮮への石油瀬取りに関与」「露船と中国船介して」

韓国企業がチャーターしたロシア籍船舶が運送した石油類(FUEL)が中国船舶を経て北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)船舶に積換えられたとの疑惑が浮上している。RFA(自由アジア放送)が報じた。報道を受け韓国外務省もこれに言及している。

(参考記事:韓国紙「露軍ドローンから日本製部品が多数見つかるが…」

英国王立合同軍事研究所(RUSI)は、最近調査した商業衛星写真と船舶信号統計などをもとに、韓国から出発した石油類が中国の仲介船を経て北朝鮮船舶に積み替えられた情況を捉えたとし、これは国連の対北朝鮮制裁を回避しようとする試みであると説明している。(RFA原文記事URL:https://www.rfa.org/korean/in_focus/food_international_org/sanctionnk-12162022150250.html)

RUSIによると、韓国企業「イースタン・ペック(Eastern Pec)」がチャーターしたロシア船「マーキュリー号(Mercury)」は去る11月20日、韓国の群山港を発ち、25日、朝鮮半島と中国間の黄海上で停泊した。

船舶自動識別装置(AIS)信号を追跡した結果、このロシア船舶は12月1日、中国船舶「シャンドリ号(Shundlli)」に石油類を移したことが把握された。

4日後の12月5日、「シャンデリ号」は、トーゴの国籍をつけて北朝鮮の領海に入り、北朝鮮の領海で他の船舶と並んでいる姿が衛星写真で確認されたという。

RUSIの専門家たちは「シャンデリ号」と遭遇した北朝鮮船舶は船舶自動識別装置をオンにしなかったと述べ、これは中国船舶と北朝鮮船舶間の積み替えである可能性が高いと分析した。

一方、船舶間の積み替え自体は違法ではないが、国連対北朝鮮制裁決議により北朝鮮に入る石油類は国連に報告されなければならないと強調し、このような仲介船舶を経た積荷は制裁監視網を避けるためのものかもしれないと付け加えた。

2017年に採択された対北朝鮮制裁決議は、北朝鮮に供給できる原油を年間400万バレルに、精製油は50万バレルに制限している。

「マーキュリー号」の船主であるロシア企業「ニコ(Niko)」社側は、自分たちが単に韓国企業に船舶を貸しただけだと述べているとRFAは伝えた。

マーキュリー号をチャーターした韓国の「イースタン・ペック」社側は、中国漁船に油類を輸送するために「マーキュリー号」をチャーターし、中国船舶「シャンデリ号」に船舶間の積み替えをしたと認めた。

「イースタン・ペック」側は中国船舶仲介人から「油類を絶対北朝鮮に運送せず、これに違反した場合は法的責任を負う」という保証書も受けとったと主張し、今後関連法と制裁に従うと明らかにしている。

RUSIのジョセフ・バイルン研究員は、今回の船舶間の積み替えは、北朝鮮に対する石油製品の違法輸送に関与していることが判明した既存の船舶の動きに非常に似ていると述べた。

これと関連して、国連対北朝鮮制裁委専門家団のエリック・ペントン・ボーク(Eric Penton-Voak)調整官は16日、RFAに「関連船舶について認知しており、この背後にある企業について調査している。これ以上は言えない」と明らかにした。

韓国外交部のイム・スソク=スポークスマンは20日の定例ブリーフィングにおいて、この件に関する記者の質問に対し、「韓国政府は国際社会との緊密な共助をもとにこれに関する情報を最近入手し、事実究明を含む対応方案を検討している」と答えている。

それと共に「現在、最近、その油流の積み替えについては国内関係機関で関連業者と船舶について捜査中であることがわかっている」と付け加えた。

※写真は記事内容とは無関係です(出所:pixabay)

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