『小嶺監督にささげる勝利』 長総大付高が4年ぶり復帰 サッカープリンスL九州参入戦

【決定戦、長崎総合科学大付高―ロアッソ熊本】後半38分、長崎総合科学大付高のFW福島(右から3人目)が勝ち越しのシュートを決め、仲間と喜びを爆発させる=SAGAサンライズパーク

 サッカーの高円宮杯U-18プリンスリーグ九州参入戦は17、18日、佐賀市のSAGAサンライズパークで各県リーグ1位の計8チームが参加して行われ、長崎総合科学大付高が4年ぶりの復帰を決めた。
 1回戦は後半13分にMF竹田がゴールを挙げて佐賀東高を1-0で退けた。ロアッソ熊本との参入決定戦は前半18分、FW甲斐がこぼれ球を押し込んで先制。後半30分に追いつかれたが、38分のCKをFW福島が頭で合わせて、2-1で振り切った。
 4チームずつに分かれてトーナメント戦を実施した。来季からは2部制となり、各パートで1位だった長総大付高と鹿児島城西高が1部に昇格。敗れた6チームと今季のプリンス最下位の鹿児島高が2部に参戦する。

◎小嶺監督にささげる勝利 最後の指揮から1年

 亡き恩師にささげる勝利となった。
 長崎総合科学大付高にとって、決定戦があった18日は特別な日。ちょうど1年前に、故小嶺忠敏監督が最後にベンチで指揮を執った日だった。舞台は今回と同じプリンスリーグ参入戦。大村市で行われたこの試合でチームは逆転負けした。既に病状が芳しくなかった小嶺氏は試合後に救急搬送され、ピッチに戻ることなく約3週間後に息を引き取った。
 体にむち打って会場入りしていたことは誰もが気づいていた。だからこそ、勝って元気づけたかった。敗れた瞬間、申し訳なさからか選手たちの涙は止まらなかった。
 当時の悔しさを知る主将のMF竹田は「今年に懸ける思いは強かった」と力を込める。リベンジを誓った今大会は恩師からたたき込まれたハードワークを存分に発揮。雪が積もる悪コンディションをものともせず、重要な局面で相手を上回り続けた。追いつかれても勝ちきる気持ちの強さを示した。
 15年にわたって小嶺氏を支え、チームを受け継いだ定方監督が感慨深げに語った。「先生も試合を見てくれたと思う。3年生は最後の試合でやりきってくれた」。竹田も「勝ってかぶとの緒を締めよ、という小嶺先生の言葉を大切に、これからをしっかりやってほしい」と恩師の教えを後輩につないでいた。


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