世の中においしいものは数々ありますが、日常の風景に溶け込んでいて、多くの人が大好きだというおいしいもののひとつは、餃子ではないかと思っています。
福山市霞町の「ニューチャイナモンロー 餃子の紋楼(モンロー)」(以下 紋楼)は、香港の路地裏にあるようなおしゃれでポップな餃子のお店。
一度見たら忘れられないネオンや看板が目印です。
餃子以外のメニューも豊富なこのお店の人気の秘密を探ってきました。
餃子がうまい!麻婆豆腐もうまい!
餃子はもちろん紋楼の看板メニューですが、他のメニューもぜひ味わってみてください。
コストパフォーマンス抜群のランチ
土日限定のランチは890円(税込)から1,100円(税込)とお手頃価格。
どれもおいしそうで悩みましたが、やはりこれだと紋楼餃子定食を選びました。
▼餃子5つとご飯、スープ、サラダ、小さなおかず3品つきです。
▼これが紋楼の餃子。
中身がはち切れそうなほどパンパンに詰まっているのが伝わるでしょうか。
こんがりとした焼き色がたまりません。
もっちりとした皮の食感に、熱々の肉のジューシーさ。
タレなしでもしっかりとした味がついています。
ああそうだ、こういう餃子を食べたかったんだ、と体が喜びはじめました。
次はタレを付けて一口。
ああ、これもうまい。
▼この日のおかずは、冬瓜の煮物、はるさめの酢の物、マカロニサラダ。
どれもホッとするやさしい味で、餃子の旨さを引き立たせます。
▼フレッシュなサラダで口の中をさっぱりさせ、次に餃子をもう一個。
よく計算された定食だとうならされました。
餃子以外のメニューにもこだわりたっぷり
餃子以外にもさまざまなメニューがあります。
楽しい名前のメニューも見つかりますね。
▼セットメニューは「チョットお得」。
さっそく2,500円セットをチョイスし、その他にもいろいろと頼んでみました。
▼茹で餃子は、プレーン・紫蘇(しそ)・生姜(しょうが)・パクチー・海老(えび)のなかから選べます。
茹でることでさらに際立つ、皮のプルプル感を楽しみました。
▼器からこぼれる迫力の、こぼれ麻婆豆腐。
山椒の辛味がピリリときいた、大人好みの一品です。
ひき肉ではなく刻んだ豚肉が使われていて、肉の旨味がしっかりと感じられます。
▼香港式まぜそば。
少し酸味のあるタレを麺と具にしっかりと絡ませていただきます。
麺の歯ごたえがよく、いくらでも食べられそう。
▼記憶が蘇るあの日の肉シウマイ。
名前の通り、楽しかったあの日に心がタイムスリップするような気がするシウマイです。
熱々を口に入れるとジューシーな肉汁があふれるのでご注意を。
▼熱々に気をつけるといえば、〇〇ちゃんと食べた小籠包。
うまい!熱い!でも、うまい!
ぜひ、にぎやかに召し上がれ。
肉たっぷりの品が続くので、野菜もとりたいところです。
▼青菜炒めたとりあえずうまいやつ。
名前のとおり、間違いなくうまいやつでした。
▼ビールも進むというものです。
▼坦々刀削麺。
筆者が一番気に入ったのはこれかもしれません。
豚とごまの味のバランスがとれたスープのうまいこと。
▼しかし、やはりもっとも存在感があったのは焼餃子です。
これだけ並んでも、最後は餃子。
看板メニューの凄さを実感しました。
おしゃれな外観や店内にも注目したい
「香港の裏路地にあるような大衆街中華」が餃子の紋楼のコンセプト。
外観や店内にもこだわりがつまっています。
▼入口の赤い提灯が目を引きますね。
▼「餃子とビールは福山の文化です」
この看板に目を留めた人も多いのでは。
▼温かい季節には店外のカウンター席やテーブル席も利用できます。
▼竜や提灯、軸など、香港風のアイテムが気分を上げてくれますね。
▼壁にはさまざまなポスターなども。
▼夜にはネオンが光ります。
▼唇に注目。お気づきでしょうか、実は餃子になっています。
おしゃれでうまい餃子の紋楼の代表、内田誠一(うちだ せいいち)さんにインタビューをしました。
餃子の紋楼代表・内田誠一さんにインタビュー
代表の内田誠一(うちだ せいいち)さんに、開店の経緯やこだわり、今後の抱負などについて話を聞きました。
「餃子の紋楼」の始まりはスーパーマーケットの卸から
──開店の経緯を教えてください。
内田(敬称略)──
2021年の2月から、スーパーマーケットのエブリイ2店舗で冷凍餃子の販売を始めました。
以前はビストロもやっていてエブリイには別の商品を提供していたのですが、そろそろ新商品を出したいなと思っていて。
新型コロナウイルス感染症の影響で、家での食事がメインになるときでもあったので、家庭で重宝する商品にしようと考えました。
それで行き着いたのが餃子です。
大人も子どもも、餃子は好きですよね。
冷凍できるから、常備しておいてあと一品欲しいときにサッと焼いてもいいし、忙しい日には気軽に買って帰ってもいい。
お弁当やおつまみに1つ2つだけ使うこともできるようにと、バラバラにして売り始めたら、需要にピッタリとはまったのでしょうか、作る端からどんどん売れて欠品状態が続きました。
もっと作ってくれ、と言われたのですが、手で包むのには限界があります。
それで、餃子を作る機械を入れよう、焼き立てを食べられて持ち帰りもできるような店舗兼工場にしよう、と考えて作ったのがこの店です。
開店は2021年12月15日。
今、1周年を迎えたところですね。
──エブリイではどれくらい売れているんですか?
内田──
今は福山市内の10店舗で扱っています。
冷凍販売のほか、惣菜やお弁当にも紋楼の餃子を使ってもらっているので、2022年11月には12個入りを420袋ほど卸しました。
──すごいですね!ところで店名の「紋楼」の由来は?
内田──
エブリイで売るときに、インパクトがある商品名が必要だなと思って。
もちろん、将来的には店を構えようというつもりもありました。
「餃子の〇〇」に当てはまるキャッチーな名前をあれこれ考えていたときに、ふと出てきたのが「モンロー」だったんです。
(マリリン・モンローは)香港に関係があるスターではないし、ファンだったわけでもありません。
けれども、一番しっくり来たんです。
覚えてもらいやすいし、誰でも知っている。キャッチーな映像もある。
結果的に「今日モンロー行こうよ」「今日はモンローの餃子ね」と言ってもらいやすい店名になったと思っています。
おいしさの秘密は?
──本当においしい餃子ですが、おいしさの秘密はなんでしょうか?
内田──
原材料は国産にこだわっています。
皮はちょっと特別で、加水熟成(寝かせて熟成)させた厚めの皮なんです。
──メニュー開発をするのは内田さんですか。
内田──
そうですね。
フレンチを12年とビストロを4年ほど、やっていました。
中華はやったことがなかったし、まったくわからなかったから手探りでメニューを作りましたよ。
いろいろなところを食べ歩いて、さまざまな味を体験しながら作っていく感じでした。
店名に「ニューチャイナ」と入れているのは、これからも進化し続けていくという覚悟からです。
今あるメニューも日々グレードアップさせるし、新しいメニューも開発します。
香港がテーマなのですが、いわゆる街中華の感じ、「ネオ大衆」のテイストを入れて店作りをしているんですよ。
今後の抱負は?
──今後、店舗を増やしたりさらに販路を広げたりする予定はありますか。
内田──
以前並行してやっていたビストロは閉め、今はこの店に集中しています。
いただいているオファーをこなせるようにしたいですし、看板に書いてあるとおりに、餃子を福山の文化にしていきたいんです。
餃子って、万能なすごくいい料理なんですよ。
冷凍できて、小出しもできる。
中身をいろいろ変えられるし、タレも好みで選べます。
無限の可能性があるんです。
福山にはいろいろな観光資源がありますが、尾道ラーメンのように「福山といえばこれ」と誰もが知る名物料理はありません。
福山には、餃子を出している店はけっこうあるのですが、まだ宇都宮や静岡のように「文化」にまではなっていない。
だからこれから、餃子を福山の文化にしたいんです。
まずは、紋楼の餃子をふるさと納税の返礼品にしたいですね。
他にもいろいろなアイデアはありますが、タイミングを見てバージョンアップさせていこうと思っています。
餃子とビールが福山の文化となる日を目指して
「餃子文化を根付かせて、県外からも福山へ餃子を食べるために人が来るようにしたいですね。
そうなれば、福山の賑わいにもつながります」
と夢を語ってくれた内田さん。
餃子にはち切れそうに詰まっているのは、肉だけではありませんでした。
お店でもお家でも楽しめる紋楼の餃子には、夢もたっぷり詰まっています。
大切な人たちと一緒に、餃子とビールで楽しい未来を語り合ってみませんか。