4年連続「チャンプ本」 ビブリオバトルで串本の清野君

ビブリオバトルの県大会で発表する串本古座高校2年の清野健太郎君(和歌山市で)=和歌山県串本町教育委員会提供

 お薦めしたい本の魅力を語る書評合戦「ビブリオバトル」の和歌山県大会が18日、「中高生読書まつり」として和歌山市の県立図書館であり、高校生の部で、串本古座高校2年の清野健太郎君(17)が紹介した本が「チャンプ本」に選ばれた。「今年でラスト」との思いで臨んだ清野君は中学2年の時からの4連覇。今回は串本町内から来年2月末ごろに初号機発射が計画されている「ロケット」にも関係する本を紹介した。来年1月下旬、全国大会に出場する予定。

 県教育委員会が主催し、今年で8回目。「バトラー」と呼ばれる発表者は5分の持ち時間で本の魅力をアピールし、発表後に観戦者(オーディエンス)ら参加者全員でその発表についてディスカッション(討論)した上で、投票するというルール。中学生の部と高校生の部があり、各地域大会で選出された生徒がそれぞれ3グループに分かれて予選をした上で、各グループから選ばれた3人が決勝に進出。最多票を集めたものを「チャンプ本」に決めた。

 高校生の部には12人が参加。清野君は20回ぐらい読み込んだという「ロケットボーイズ」(ホーマー・ヒッカム・ジュニア著)を紹介した。NASAの技術者がロケットづくりに懸けた少年時代をつづった自伝で、清野君は「昔から宇宙に興味があり、串本にロケット発射場ができ、自分の中で宇宙熱がすごく高まってきて宇宙関係の本を探していたところ、この本に出合った。自作のロケットを打ち上げる缶サット甲子園に挑戦した自分にすごく当てはまると感じた。この本から夢を持つことの大切さを学び、それを皆さんに伝えたいと思って発表したので、ありがたいし、うれしい」と話す。

 第9回全国高校ビブリオバトル決勝大会は、来年1月22日に大阪府茨木市にある立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催される予定。清野君は「コロナ禍の影響でこれまで3年連続で全国大会に出られなかったので、出場は悲願。県大会で一緒に戦った皆さんの気持ちも背負って戦いたいし、串本からロケットが打ち上がるということも多くの人に知ってほしい」と意気込んでいる。

 16人が参加した中学生の部は、かつらぎ町笠田中3年の浦畑玲奈さんが紹介した「残像に口紅を」(筒井康隆著)を、チャンプ本に選んだ。全国大会は来年3月の予定という。

■紀南の4人が奨励賞 POPコンクール

 「中高生読書まつり」では、好きな本の宣伝文をまとめた「ポップ」というカードの出来栄えを競う「POP(ポップ)コンクール」の表彰式もあり、紀南地方からは4人が奨励賞に選ばれた。

 応募総数は中学生642点、高校生287点の計929点。最優秀賞各1点、優秀賞各1点、奨励賞各3点の他、佳作各20点を選んだ。

 紀南地方から奨励賞と佳作に選ばれたのは次の皆さん。

 【中学生の部】奨励賞=前芝小羽(上南部)、佐々木夢乃(田辺)、西野菜穂(潮岬)▽佳作=松原琴音(潮岬)、こまいぬ小夜(東陽)、堀美奈希(串本)

 【高校生の部】奨励賞=中嶋しおり(田辺)▽佳作=成田優希(田辺)

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