1年の最後を締めくくる主要な流星群「こぐま座流星群」。2022年は突発出現の可能性があり、期待が膨らむ。お勧めの観測時間や方角、観測できる流れ星の数などを国立天文台などの情報を基にまとめた。
こぐま座流星群とは
毎年、12月下旬に活発になる小規模の流星群で、放射点がこぐま座近くにある。放射点が北極星に近く一晩中観測できる。ただ、1時間に数個ほどの流星が見られるだけの年や、急に活発になる年もある。母天体は約14年の周期で公転するタットル彗星(8P/タットル)。
こぐま座の見つけ方
まず、北極星(ポラリス)を見つけよう。北極星は、おおぐま座の北斗七星から探し出すことができる。北斗七星のひしゃくになっている先のふたつの星を結び、それが伸びる方向に約5倍、線を延ばしてみると、こぐま座の尻尾で輝く北極星を見つけることができる。おおぐま座に向かい合うように星が並び、こぐま座全体は小さな北斗七星のようにひしゃくの形をしている。
出現期間
12月18~24日。
観測できる時間帯
放射点が北極星に近く、一晩中観測できるが、午前0時以降の深夜の方が放射点の高さが高くなっており、オススメだ。
極大
12月23日午前7時の予想。
観測が期待できる流星数
もともと出現数の少ない流星群なので、1時間に1個見られたらラッキーという心構えで観測に臨むのが良さそう。極大付近の時間帯でも1時間当たり5個程度の予想。
お勧めの観測時間、方角
極大が日の出後になるため、観測するなら12月22日夜から23日の夜明け、または23日夜から24日の夜明けが適している。23日がちょうど新月となり、月明かりの影響は気にしなくてよさそう。極大に近づく23日未明が観測のチャンス。
また、22日午後7時台に小規模だが突発出現の可能性を指摘する声や、22日午後11時に母天体によるダストトレイルが接近するとの見方もあり、注目したい。
いつまで見える
極大を過ぎると見える流星数はだんだん減り、出現しなくなる。こぐま座が収束するころには、明け方の東の空で「かみのけ座流星群」「12月こじし座群」の活動がピークを迎える。新月期で観察には好条件だ。
流れ星が見える方角は?
流れ星は、放射点のある方向だけに流星が出現するわけではなく、夜空のどこにでも現れる。そのため、放射点の方向にはあまりこだわらず、空の広い範囲に注意を向けるようにしよう。空を広く見渡しているほうが、より多くの流星を捉えられる可能性が高くなる。そのため、街灯など人工の明かりが少なく、空が広く見渡せる場所を選ぶとよい。
観測のポイント
最低でも15分間は観察しよう。明るい屋内から屋外に出てすぐには目が暗さに慣れていないほか、都市部ではそれほどたくさんの流星が見えるわけではないので、最低でも15分間程度は観察を続けるのがよい。
また、望遠鏡や双眼鏡を使用すると、見ることのできる範囲が狭くなるため、かえって観察がしにくくなるため、肉眼で観察しよう。できれば、星座早見盤があると、放射点の位置を確認したり、流星観察の合間に星座や星を楽しんだりするのに便利だ。
レジャーシートや背もたれが傾けられる椅子などを用意して、寝転がったまま観察できる準備をしておくと、楽に観察を続けることができる。そして最も重要なのが防寒対策。防寒着や寝袋、ホッカイロなど、寒さ対策を充分にして無理せず観測に臨もう。