操山高生自殺 調査結果の一部修正 文科省、両親叱責や学業不振

 2012年に操山高(岡山市中区浜)野球部の男子生徒=当時(16)=が自殺した問題を巡り、文部科学省が当時の状況について、両親の叱責(しっせき)や学業不振があったとする調査結果の一部を取り消したことが21日、関係者への取材で分かった。文科省に誤った報告をしていたとして、岡山県教委が修正を申し入れていた。

 学校現場での自殺やいじめの状況、背景などを全国集計した統計調査で、文科省がホームページで公表している。関係者によると、当初は県教委の報告を踏まえ、男子生徒に関して「教職員との関係での悩み」「父母等の叱責」「学業等の不振」「厭世(えんせい)」があったとして集計に反映させていたが、21日に「教職員との関係」以外を削除した内容に改めたという。

 この問題では有識者らによる第三者調査委員会が21年、男子生徒の自殺は野球部監督だった教諭の不適切な指導が原因とする報告書を公表。「家庭に特段の問題点は見いだせない」などと指摘している。

 山陽新聞社の取材に対し、文科省は「個別の内容には答えられない」と説明。県教委も調査を巡る一連の対応について「回答できない」としている。

 生徒の父親は「統計に息子の自死(自殺)原因が正しく反映され、ようやく報われた。ただ、遺族への確認がないまま県教委が報告したことが問題で、文科省などに仕組みを改善するよう要望したい」と話した。

 生徒は11年、野球部に選手として入部し、12年に一度退部。マネジャーとして復帰後に岡山市内で亡くなった。

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