灰色カビ病で新防除法へ期待 抗菌物質、識別し弱体化

特定の遺伝子を壊した灰色カビ病菌に感染させたピーマン(右)と通常の灰色カビ病菌に感染したピーマン。右の方が感染範囲が小さくなっている(名古屋大の竹本大吾准教授提供)

 多くの野菜や果物などに感染して被害をもたらす病原菌「灰色カビ病菌」が、植物がつくる抗菌物質を識別し弱める仕組みを解明したと、名古屋大のチームが21日付の国際学術誌に発表した。この仕組みを利用すれば、環境負荷が少ない新たな防除法の開発につながるとしている。

 チームは、灰色カビ病菌が、ピーマンの抗菌物質「カプシジオール」や、トマトやジャガイモの抗菌物質「リシチン」をそれぞれ別の反応で弱体化していることを確認した。そこで灰色カビ病菌がカプシジオールを弱体化する際に活性化する特定の遺伝子を壊すと、ピーマンに感染しにくくなることも判明した。

灰色カビ病菌(名古屋大の竹本大吾准教授提供)

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