新酒始めるピョン! 神奈川の老舗酒蔵にウサギの杉玉

新酒の完成を告げる来年の干支のウサギや一升瓶の杉玉=松田町の中沢酒造

 1825年創業の老舗「中沢酒造」(松田町松田惣領)で今年の新酒が完成し、縁起物の杉玉が軒先につるされた。今年は新春の干支(えと)にちなんでウサギ(卯・う)や一升瓶をかたどった杉玉もお目見えした。

 杉玉は新酒の初搾(しぼ)りの時期となる毎年12月ごろに取り換えられる。同酒造の杉玉は4年前からボランティアが手がけ、町内の山林から切り出した杉の枝葉から半月ほどかけて直径70センチの杉玉に仕上げた。ウサギの杉玉は直径60センチで耳の代わりに竹を差し、目と鼻はワインボトルや調味料のキャップを利用した。

 今年の新酒は11月から仕込み、今月23日から販売を開始。新型コロナウイルスの影響で一時は落ち込んでいた日本酒の需要も回復傾向といい、鍵和田茂社長は「すっきりといい香りの酒に仕上がった。来年はコロナ禍からにぎわいも戻って、楽しい時間を過ごしてもらう酒を造っていきたい」と意気込んだ。

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