「Winny」開発者の逮捕 技術者の権利と未来を守るため戦った男たち真実の物語 「Winny」特報

東出昌大がファイル共有ソフト「Winny」の開発者である金子勇さんを演じる映画「Winny」の劇場公開日が2023年3月10日に決まり、特報と本ポスターが公開された。

特報映像は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発した罪で逮捕・勾留された金子(東出昌大)を、壇弁護士(三浦貴大)が「戦うしかないですよ」が鼓舞するシーンから始まる。そして、金子と「Winny」をめぐるさまざまニュース報道や世論、それを取り巻く国家権力の思惑、逮捕の是非を巡って繰り広げられた議論が映し出された緊迫感にあふれた映像となっている。

ポスターは、「不当逮捕から無罪を勝ち取った7年の道のり」のコピーとともに、逮捕・起訴された金子と彼を弁護する弁護団が裁判所に向かう様子が切り取られている。膨大な数のメディアと世間の目にさらされながらも、あとに続く技術者のために戦った男たちの強い意志が表現されたポスターとなっている。

あわせてキャストも追加発表された。警察内部の腐敗を暴く仙波敏郎役を吉岡秀隆、金子逮捕の陣頭指揮をとる北村文哉役を渡辺いっけい、金子の心の支えとなっていた姉を吉田羊、壇弁護士らの熱い思いに共鳴して手助けすることになる敏腕弁護士の秋田真志役を吹越満が演じる。さらに、皆川猿時、和田正人、木竜麻生、渋川清彦、池田大、金子大地、阿部進之介、田村泰二郎らが顔をそろえる。

「Winny」は、金子勇さんが2002年に開発し、大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされたことから社会問題となり、金子さんが著作権法違反ほう助の容疑で逮捕された出来事を描いた作品。東出昌大が金子役を演じ、三浦貴大がサイバー犯罪に詳しい弁護士で警察の不当逮捕を主張する壇俊光を演じる。東出は役作りにあたって18キロを増量。弁護士たちと模擬裁判を実施するなど、徹底した役作りを行ったという。自主映画「Noise ノイズ」などの松本優作監督がメガホンを取る。

本作は、2018年に起業家の古橋智史が企画し、「ホリエモン万博」の「CAMPFIRE映画祭」にてグランプリに輝いた作品。「CAMPFIRE映画祭」の審査員は、「CAMPFIRE」代表取締役の家入一真氏、俳優の山田孝之、伊藤主税プロデューサーらが務めた。

吉岡秀隆、渡辺いっけい、吉田羊、吹越満のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■吉岡秀隆
実際にいらっしゃった、組織に屈しない警官の役は難しかったですが、
松本監督はじめ若いスタッフやベテランスタッフと映画の力を信じることで
作り上げることができたと思っています。
東出くん、三浦くんが素晴らしい。とても勉強になりました。

■渡辺いっけい
逮捕のシーンでは金子氏を演じる東出君の無防備な佇まいが実にリアルで、逮捕する側の僕が「不当逮捕の怖さ」を肌で感じてしまいました。法廷のシーンでは吹越君演じる秋田弁護士とのスリリングなやり取りが忘れられません。金子氏がプログラミングに夢中になるその姿はエンタメの世界に身を投じる人間にとって深く深く共鳴できる部分です。だからこそ撮影現場には「真実を伝えよう」という強い思いが常に溢れていた気がします。

■吉田羊
この度、金子勇さんのお姉さまを演じるにあたり、撮影前、ご本人とお会いする機会をいただきました。「映画になることで、沢山の方が弟を知り、思い出し、話題にしてくれる、それが嬉しい」と話された言葉が印象的でした。聡明で純粋で穏やかな佇まい、そして何より弟さんを大好きなお気持ちを大切に演じさせていただきました。今や世界中で利用される技術を日本人が先駆けて開発していた。それが成熟し実用化される未来が何故消えたのか。この映画を一人でも多くの方に観て頂くことが、今後産まれくる新たな才能を守る後押しになる気がしてなりません。ぜひ、劇場でご覧頂けますと幸いです。

■吹越満
法律の知識なんてないのに専門用語の嵐。しかも、長ーい裁判シーンがある。そんな弁護士の役を受けちゃって苦労した俳優はたくさんいるんでないだろうか。僕も過去に何度か。しかーし、今回は違いました。もちろん苦労はありましたが、気持ちよかっっった!のです。
この映画は、実話を元にしています。シーン74の証人尋問も、実際の裁判記録を元に構成しています。なのに、まるで映画の台本みたいな流れでした、笑。僕の演じた弁護士秋田真志さんがどれだけ優秀で魅力的な弁護士なのかが分かります。実際の裁判は、舞台の様だったのではないかと想像できます。(僕の演技がうまくいったのかは、おいといて、汗笑)。
京都弁は大変でしたが、頂いた役が秋田真志さんでよかったです。笑。
撮影前に読んだ秋田さんの『実践!刑事証人尋問技術 PART2』は、普段の生活の中でのちょっとした言い争いや口喧嘩の場面に遭遇したときなどのために読んでおいてもいいかも、と思いました。

【作品情報】
Winny
2023年3月10日TOHOシネマズほか全国公開
配給:KDDI/ナカチカ
(C)2023映画「Winny」製作委員会

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