中古ブランド市場は“コロナ円安バブル” 買い取り店では驚きの高額査定も

コロナ対策の緩和や円安の影響で中古ブランド品の市場が熱を帯びています。買い取り店舗では驚きの高額査定も続出しています。“コロナ円安バブル”ともいえる現場を取材しました。

ブランド品の買い取りを行う中央区銀座の店舗「なんぼや」ではコロナ流行前の3年前と比べ、買い取り価格が高騰しているといいます。コロナ対策の規制が緩和されたことに加えて円安が重なり、ブランド品を求める訪日外国人が増えています。そのため、日本で販売されるブランド品が注目の的になり、中古市場も盛況だということです。なんぼや・バリューデザイナー(鑑定士)の松屋良エリアマネジャーは「シャネルの定番の『マトラッセ』はコロナ前と比較すると168%、ブランドジュエリーではブルガリが2019年比で200%になっている。コロナの緩和やインバウンド需要が多くなり、ブランド品の売れ行きがすごくよい。われわれの買い取り金額も高くなり(売却には)すごくいい状況」と話します。

60代の女性がこの日持ち込んだのは、フェンディのハンドバッグと三つ折の財布の2点です。20年ほど前に購入したもので、当時の価格も覚えていないといいます。女性は「もう昔のものなので、1000円か2000円かなと思っている」と話していましたが、鑑定士は「いま、円安とインバウンド需要でこういったフェンディの"サ・分かりやすい定番”の商品はすごく需要の高いアイテム。相場も上がっている」と説明しました。最近の中古市場のトレンドでもあるミニバッグであるだけに買い取り額は3万円と提示され、"たんすの肥やし”となっていたブランド品が思わぬ高額買い取りとなったことに対し、女性は「(予想の)10倍、15倍。円安さまさまということですかね?」「めちゃくちゃいい日」と話しました。鑑定士は「基本的に年数がたてばたつほど相場が下がる傾向にあるが、ビンテージブームで相場が飛躍的に上がることもある」と話しています。

また、40代の女性が持ち込んだのは2004年に購入したというエルメスのバッグです。1、2年前だと相場的には15万から20万円ぐらいだったということですが「25万円でいかがですか」という満足のいく高額査定に、女性も思わず笑みがこぼれます。鑑定士は「売り時としては本当にベストのタイミング。今の状況は間違いなく高い相場」といいます。

コロナの流行によって一時低迷していたブランド市場は、円安傾向によってまた新たな波がきているようです。担当者は「年末に向けて大掃除をする家庭も多いと思う。たんすの肥やしになっている品物も、買い取り相場も好調なのですごくチャンスだと思う」と話しています。

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