江迎の養鶏場で鳥インフル疑い 確定なら長崎県内初 2万7400羽を飼育

陽性確定後設定される制限区域

 長崎県は21日、佐世保市江迎町の養鶏場で、高病原性鳥インフルエンザの疑いがある事例が発生したと発表した。遺伝子検査で陽性が確定した場合、飼育する2万7400羽を殺処分する。陽性確定となれば、県内の養鶏場では初めて。
 県によると、同日午前9時半ごろ、養鶏場から「16羽が死んでいる」と県北家畜保健衛生所に通報があった。死んだ11羽と生きている2羽の計13羽を簡易検査し、すべて陽性だった。
 この養鶏場は採卵鶏2万7400羽を7鶏舎で飼育し、死亡鶏が見つかったのは1鶏舎のみだった。遺伝子検査の結果は22日早朝に判明する見通し。
 陽性が確定すれば、現地で県職員らが8時間交代で殺処分や埋却などの防疫作業を開始し、72時間以内に終了する。また養鶏場を中心に半径3キロの区域(佐世保、平戸、松浦3市の一部)で鶏や卵の移動ができず、半径10キロの区域(同3市と佐々町の一部)外への出荷が制限される。対象の養鶏場などは10キロ以内に計27戸(約16万6千羽)。県は21日、陽性確定までの措置として10キロ以内での移動自粛を要請した。
 大石賢吾知事は県幹部らの会合で「情報共有を密にしながら迅速な対応に努めてほしい」と述べた。
 県内では今年11月に諫早市内で死骸が見つかった野鳥2羽の陽性が確定している。県は、人が鶏肉や卵を食べて鳥インフルエンザに感染する可能性はないとし、死んだ野鳥を見つけたら素手で触らず県や市町に連絡するよう呼びかけている。


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