ジャッジ、コレアらの獲得に失敗したジャイアンツの次なる一手は?

この2年間でバスター・ポージー、ジョニー・クエト、エバン・ロンゴリア、ブランドン・ベルトら高額年俸のベテラン選手がチームを去り、ペイロールに余裕があったジャイアンツは、アーロン・ジャッジ獲得の有力候補に挙げられるなど、大型補強に動くことが確実視されていた。ところが、ジャッジはヤンキース残留を選択し、カルロス・コレア獲得に動いているあいだにカルロス・ロドンもヤンキースへ。そして、コレアとの交渉は破談となった。結局スター選手を獲得できなかったジャイアンツだが、今後どのような動きを見せるのだろうか。

ジャイアンツが今オフ獲得した選手は、ミッチ・ハニガー、ショーン・マナイア、ロス・ストリップリングといった顔ぶれ。このほか、FAとなったジョク・ピーダーソンがクオリファイング・オファーを受諾し、1年契約で残留しているが、どの選手もスタジアムに客を呼べるようなスーパースターではない。ジャイアンツの本拠地オラクル・パークは今季、2000年の開場以来最少の観客動員数(注:キャパシティに制限のあったシーズンを除く)に終わったが、ポージーに代わるスター選手が不在の今、かつてのような活気を取り戻すのは難しいだろう。

FA市場にはマイケル・コンフォート、ゲーリー・サンチェス、ネイサン・イオバルディ、クレイグ・キンブレルらがまだ残っており、実際にジャイアンツはコンフォート獲得に興味を示しているようだが、ジャッジやコレアを獲り逃したことに不満を持つファンを満足させるような補強にはならないだろう。トレード市場に目を向け、ブライアン・レイノルズ(パイレーツ)の獲得を狙う可能性もあるが、ポージーに代わる看板選手になれるかというと、こちらも疑問符が付く。

よって、今オフは資金や人材(プロスペクト)を無駄遣いせず、2023年シーズンの上位進出を諦め、1年後のオフに備えるという選択をする可能性もあるのではないだろうか。1年後には大谷翔平(エンゼルス)やラファエル・デバース(レッドソックス)、オプトアウトの権利を行使すればマニー・マチャド(パドレス)やマックス・シャーザー(メッツ)もFA市場に出てくる可能性がある。すでに大物選手がいなくなった今オフのFA市場に資金を投入するより、1年後のオフを待つほうが賢明と言えるかもしれない。エンゼルスやドジャース、メッツと熾烈な大谷争奪戦を繰り広げる可能性もありそうだ。

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