黒木ひかり、団子を片手に愛嬌満点の笑み 真剣な表情も 時代劇初挑戦「近江商人、走る!」場面写真

12月30日より劇場公開される、大坂、伊勢と並ぶ「日本三大商人」の1つ“近江商人”の活躍を描く映画「近江商人、走る!」から、黒木ひかり演じる主人公の幼なじみ・楓の場面写真が公開された。

楓は、主人公の銀次(上村侑)の奉公先・米問屋大善屋の娘で、銀次の幼なじみというキャラクター。何手も先を読んで唐突に結論から話し始めてしまったり、夢中になると周りが見えなくなってしまったりとおっちょこちょいな一面もあるが、銀次のよき理解者で彼を支える大切な存在だ。公開された場面写真では、千両もの借金を背負い存続の危機に陥った大善屋を救うため机に向かう銀次の隣で見せる真剣な表情や、大量の団子を片手に見せる愛嬌満点の笑みなどが切り取られている。

楓を演じるのは、俳優のみならずタレント・モデルとしても活躍する黒木ひかり。2019年放送のテレビドラマ「電影少女2019」で女優デビューを果たした黒木は、「ウルトラマンZ」のメインキャストなどをへて、2020年に公開された高校演劇の映画化でロングランヒットした「アルプススタンドのはしの方」に出演。メインキャストの1人である吹奏楽部部長の久住智香役を演じた。部活動では部長を務め、成績も学年1位、恋愛も順調という完璧な優等生ながら影のある役どころで、等身大のフレッシュな演技を見せた。

役者としての活躍に加え、高校の留年を繰り返し“ハタチの高校5年生”というキャラクターでも注目を集めた黒木は、サッカー番組「やべっちスタジアム」のレギュラーアシスタントや「王様のブランチ」のレギュラーリポーターを務めるなど、持ち前の明るさでバラエティーでも活躍。Netflixで全世界に配信された「逃走中 Battle Royal」にも出演するなど活躍の場を広げている。

撮影当時はまだ高校生だった黒木にとって、時代劇は初挑戦。黒木は「難しいお話ではないか、普段元気過ぎて動きが大きい私が着物を着て上品な作法などできるのかという不安があった」と語るが、「実際に台本を読んでみると(本作のストーリーは)わかりやすいし、着物を着たら勝手に気持ちが引き締まって撮影を楽しむことができました!」と自信を見せている。

先日行われた完成披露上映会での舞台あいさつでは、オファーを受けた当初は「近江商人の“近江(おうみ)”の読み方も分からなかった」と明かすなど天然なキャラクターものぞかせた。しっかり者という普段の黒木とはギャップのある役柄を演じるにあたっては、「とにかく“楓は優しくて明るい”がモットーでした。観ている方を元気づけられる人であるといいなと思って演じました!」と役への思いを語っている。

「近江商人、走る!」は、商いの才と人情に長けた近江商人の銀次を主人公とした作品。ある近江商人との出会いから、大津の米問屋大善屋で丁稚奉公することとなった銀次。それから5年、商才を発揮する銀次は、店の仕事だけではなく、職人の互助組合作りや茶屋の看板娘・お仙のアイドル化計画などを手掛け、町の人々を助ける。そんな中、悪辣(あくらつ)な奉行のわなによって、大善屋が千両もの借金を背負ってしまう。店を守るため、銀次は15里=60キロ離れた堂島と大津の米の価格差を利用した裁定取引を思いつく。情報を迅速に入手するため、銀次たちは壮大な作戦をしかける。

銀次役には、主役に抜擢されたデビュー作「許された子どもたち」で毎日映画コンクールの新人賞を受賞した上村侑。銀次を支える先輩の蔵之介を「ちはやふる」シリーズなどの森永悠希、銀次や蔵之介とともに米屋で働く楓を「アルプススタンドのはしの方」などの黒木ひかり、お茶屋の看板娘のお仙にはAKB出身の田野優花、眼鏡屋の有益には「ハケンアニメ!」などの前野朋哉が演じる。さらに、筧利夫、真飛聖、矢柴俊博、堀部圭亮、渡辺裕之、藤岡弘、といったベテラン勢や、村田秀亮(とろサーモン)、大橋彰(アキラ100%)、たむらけんじ、コウメ太夫ら、”近江”にゆかりのあるお笑い芸人たちも登場する。監督は「老人ファーム」「鬼が笑う」の三野龍一が務める。

【作品情報】
近江商人、走る!
2022年12月30日(金)新宿ピカデリー他ロードショー
配給:ラビットハウス
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