「もっと親子の対話をしたかった。なぜ『過失』なのか、殺人ではないか」 男児(7)はねられ死亡 運転手(63)に禁固4年求刑 広島

ことし10月、広島市の国道で車で7歳の男の子をはね、死亡させた罪に問われている男の裁判で、男は起訴内容を認めました。検察側は、禁錮4年を求刑しました。

起訴状によりますと広島市南区の栗栖一弘被告(63)は、ことし10月広島市安佐北区可部の国道54号で、軽乗用車を運転中に眠気におそわれ、赤信号を見過ごしたまま時速およそ60キロのスピードで進行し、キックボードに乗って横断歩道を渡っていた7歳の男の子をはね、死亡させた罪に問われています。

22日の初公判で、栗栖被告は起訴内容を認めました。

法廷では、男の子の両親の上申書も読み上げられ、「事故前、息子から『友達といっしょに外で宿題をする』と電話で聞いたのが最後の声で、できればもっと親子の対話をしたかった。被告が居眠り運転をしていたのではないかと思うと、悔しくてたまらない。なぜ過失運転致死なのか…。殺人ではないか」と訴えました。

検察側は「休憩できる場所があったのに、自宅に早く帰りたい思いから休憩しなかった」などと指摘し、禁錮4年を求刑。

弁護側は「眠気止めの薬を車に積むなど一定の対策をしていて、謝罪の思いも強く、社会内での更生を考えるのが相当」などと述べました。

裁判は22日で結審し、判決は来月19日、言い渡されます。

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