小田原の鈴廣でかまぼこ作り最盛期 正月の食卓に彩り 最高級の逸品は職人50人がかりでフル回転

職人技で仕上げられていく最高級かまぼこ「一」=小田原市風祭の鈴廣蒲鉾本店

正月の食卓に彩りを添え、半円状の形が初日の出を模して縁起が良いとされるかまぼこ作りが最盛期を迎えている。

 創業1865年の鈴廣蒲鉾本店(神奈川県小田原市風祭)では、限定300組に販売される逸品「一(はじめ)」の製造に職人50人がかりでフル回転。3日間で600本を手作業で練り上げる。かまぼこ板を片手に、新鮮な生のグチ、この商品のためだけに相模湾へ漁に出たオキギスに加えて、高級魚・クロムツを最良のバランスで配合したすり身を、手早くきれいに成形して何層にも塗りつけていった。

 11月15日の販売予約当日には26分間で予約枠が埋まったという“幻のかまぼこ”だけに、職人たちも冷水で身を清めてから生産に臨むなど力が入る。職人の神兼智(じんかねとも)さんは「年の瀬の集大成。紅白のかまぼこで明るく健やかな新年を迎えられるように、全集中、全神経を注いで無の境地で生産していきます」と話していた。

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