ソフトバンクら、愛媛県新居浜市のMaaSシティ実現に向けデジタル化推進

ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)ら3社は、愛媛県新居浜市(以下、新居浜市)のMaaSシティ実現に向けたデジタル化推進業務を受託した。12月21日付のプレスリリースで明かしている。

新居浜市では、市民の高齢化や運転免許証の自主返納が進むことで、マイカーを持たない生活者や自宅からの移動が難しい生活者の増加が予想されている。そのため、移動が難しい市民が継続的に保健福祉や行政などのサービスを受けられる環境の構築が重要となっている。

そこで同市は、「ヒト・モノ・サービス」の移動を体系的に整備し、地域課題の解決を図ることを目的に、MaaSシティの実現に向けたデジタル化推進業務の委託事業者を公募。その結果、株式会社ハートネットワーク(以下、ハートネットワーク)を代表とし、ソフトバンクおよびMONETで構成される、新居浜地域MaaSシティ推進グループが事業者として選定されている

具体的な実証内容としては、「オンデマンド配車システムの導入」、「MaaSシティ事業の推進・管理」、「MaaSシティプラットフォームの構築」を実施する。

「オンデマンド配車システムの導入」では、MONETが提供するオンデマンドモビリティに必要な各種サービスを活用して、新居浜市内の一部の地区で新たにデマンドタクシーを運行する。

MONETは、スマホアプリ「MONET」やドライバー向けアプリ、車両の稼働状況などを確認できる管理者向けのシステムなどを提供する。「MONET」は、配車システムをベースに、乗降場所や日時、人数などを指定するだけで簡単に乗車を予約できるユーザー向けアプリだ。ドライバー向けアプリでは、予約状況とそれに応じた最適な運行ルートを確認できる。

また、同社は、運行データなどを収集・分析できるツールを提供することで、市民の移動に関する需要を把握し、交通サービスの効率化や利便性の向上を支援する。

「MaaSシティ事業の推進・管理」では、オンデマンド配車システムの導入に伴って、利用者から電話予約を受け付ける窓口(コールセンター)をハートネットワークが設置する。また、MONETはマルチタスク車両やICTなどを活用して、車内で保健指導や健康相談などのサービスを提供する保健福祉MaaSや、行政サービスを提供する行政MaaSを展開する。

保健福祉MaaSでは、車内からテレビ会議システムを通して、保健師や管理栄養士などの複数人の専門職に同時に健康相談ができるサービスや、保健福祉に関する各種申請をサポートするサービスなどを提供する。行政MaaSでは、マイナンバーカードの申請受け付けや、住民票などの証明書の発行、期日前投票の受け付けなどを車内で行う予定だ。なお、2022年11月に行われた愛媛県知事選挙では、マルチタスク車両を活用した移動式の期日前投票所が、新居浜市内で試験的に開設された。

「MaaSシティプラットフォームの構築」では、ソフトバンクとハートネットワークが中心となり、新居浜市のLINE公式アカウントを基盤として、市民にとって便利な情報の提供や各種システムとの連携を進める。例としては、デマンドタクシーの情報を掲載したウェブページや、電車や路線バスの運行情報のページにLINE公式アカウントの画面からスムーズに遷移できるようにする。さらに、徒歩も一つの移動手段と考え、健康増進施策のページとの連携も進める予定だ。

(出典:ソフトバンク Webサイトより)

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