【幕末維新 山口れきし散歩】 No.35 「ビリヨン神父像」

▲聖夜を待つ(山口市金古曽町)

 陸上自衛隊山口駐屯地の隣にあるザビエル記念公園の片隅に、エメ・ビリヨン神父の像はある。

 彼は1843(天保14)年、フランス・リヨンに生まれ、パリの大神学校を卒業。1868(明治元)年に来日し、神戸・京都でキリスト教を布教した後、1889(明治22)年、山口へ移った。そこでは布教活動のかたわら、郷土史家・近藤清石(こんどうきよし)や、3代山口県知事・原保太郎(はらやすたろう)らの協力を得ながら、大内時代にザビエルが活動の拠点とした大道寺(場所については諸説あり)の遺跡を探し続けた。

 1899(明治32)年、萩で信者が他界、埋葬地が見つからず問題となっていたが伊藤博文の尽力により無事解決した。

防長史談会山口支部長 松前了嗣

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