これは便利!子育てママのアイデアが「発明学会大賞」に 「身近なヒント発明展」の授賞式

新宿区に本部がある「発明学会」が主催するコンクール『身近なヒント発明展』の表彰式が行われました。今回、大賞に選ばれたのは子育てママの“子育てに役立つ発明”でした。

『身近なヒント発明展』は、過去には3億円の特許料を稼ぐ発明品が誕生するなど、発明家にとっての登竜門的なコンクールです。今年は1239点の応募の中から展示会などで一般投票が行われ、初めて「アプリ部門」から発明学会大賞が選ばれました。大賞を受賞した山極尊子さんは「子どもの絵や、幼稚園で作って持ち帰ってきた芸術作品を保存するアプリはないなと思い立った。いつ・どこで・誰が・何歳の時に描いたものか、アップロードして保管できるようなものをつくった」と語りました。

「ASHIART(アシアト)」と名付けられたこのアプリには家族のコメントも書き込むことができ、おじいちゃん・おばあちゃんたちと子どもの思い出を共有することができます。大賞を受賞した山極さんは3人の子どもを育てるママで、発明は1年前に始めたばかりですが「生きがいにつながっている」と語ります。山極さんは出産を機にそれまでの仕事を退職し、子育ての忙しさに追われて自分を見失っていた時、発明が助けになったといいます。山極さんは「もうちょっと自分らしく生きたいなっていう時に外出もできないので、頭の中で空想はできるかなと思って。『発明だ!』みたいな感じで結び付いた」「身近なものが全部発明できるんじゃないかと考えて生活するのがすごく楽しくて、日常が本当に楽しくなった」と話します。

今、さまざまな世代にアイデア1つで生活を豊かにしてくれる「発明」が広がりを見せているといいます。そして発明学会では"第2のスティーブ・ジョブズを育成したい”と、2021年から「こども発明部門」の表彰も行っています。以前、TOKYO MX「news TOKYO FLAG」で取材した「荒川の発明兄弟」こと岡安来人君・七斗君兄弟のうち、今年も兄の来人君が入賞しました。さらに、今回は都内在住の小学生3人も入賞を果たしています。

"商品化に最も近い発明コンクール”と呼ばれるだけあって、今回の応募作品の中からすでに商品化された発明もあります。台東区に住む30代の会社員が日々の業務の中で思い付いたという便利グッズは、返信用の郵便物にいちいち手書きで「○○行」を「○○様」に書き直す必要がなくなるという便利なはんこです。前回取材した際には試作品だった発明は、すでに高い完成度を見せていて、近々「返信すっぺ"ポン!”」というネーミングで店頭に並ぶ予定です。

数々のヒット商品を応援してきた協賛企業・山陽プレシジョンの小島裕司社長は「応募作品のレベルはかなり高かった。こんなにレベルが高ければ本当に素晴らしいとしか言いようがない。これからどんどん商品化しますよ」と話し、年々出品作品のレベルが上がっているといいます。アイデア1つで毎日の生活を豊かにする発明品の数々ですが、来年はどんな作品が誕生するのか今から期待が膨らみます。

<「こども発明部門」受賞者に聞く! 将来の夢は?>

「こども発明部門」で表彰された9人のうち、4人が東京都内に住む小学生です。発明学会は"第2のスティーブ・ジョブズを育成したい”としています。ちなみに、表彰された4人に将来の夢を聞いたところ、丹藤君と水島君は「ユーチューバー」、潮田さんは「女優」と答え、"発明兄弟”の岡安君は以前から変わらず「プログラマー」と答えています。子どもたちの将来の可能性は無限大といえそうです。

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