東武動物公園、突然の臨時休園…鳥インフルエンザの疑い ワシ、ハクチョウ死ぬ 埼玉どこでも発生する恐れ

イルミネーションは県内最大規模の東武動物公園、カップルや家族連れに人気だ

 埼玉県は22日、宮代町の東武動物公園で飼育していた鳥から、鳥インフルエンザの疑い事例が確認されたと発表した。県生活衛生課などによると、21日、同園で飼育しているベビクイワシ1羽が死亡し、コブハクチョウの1羽が死亡、もう1羽が衰弱しているのを確認。3羽について同園獣医師が鳥インフルエンザ簡易検査を実施したところ、ベビクイワシ、コブハクチョウそれぞれ1羽ずつ、計2羽について陽性が判明した。

■知事「リスク高い状況」

 同園が22日朝、幸手保健所に届け出た。衰弱していたコブハクチョウ1羽は同日午後に死亡。陽性の2検体は国立環境研究所(茨城県つくば市)に搬送して遺伝子検査が行われ、週明けにも高病原性かどうかが判明するという。

 同園は22日を臨時休園とした。県はコブハクチョウと同居するガチョウ5羽、別の展示施設にいるコールダック5羽については家畜伝染病予防法に基づき、隔離と健康状態の経過観察が行われる。

 同園は23日以降も当面の間、休園する予定という。

 県は22日午後、緊急対策本部会議を実施し、県内動物展示施設に対し、対応マニュアルの確認や防疫体制の強化について要請したことなどを確認。

 大野元裕知事は「県内のどこで発生してもおかしくない、非常にリスクの高い状況。県として引き続き国と緊密に連携し、迅速な初動対応、早期封じ込め、監視態勢強化に着実に取り組む」と述べた。

 県内では今月17日、深谷市内の採卵鶏農場で高病原性鳥インフルエンザが発生。防疫措置が続けられており、22日午前11時までに、発生農場の約19万羽の殺処分を完了した。

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