本堂前に「卯」の大絵馬 田辺市中三栖の尋声寺

本堂前に飾られた卯(う)年の大絵馬と制作者の酒井裕美さん=和歌山県田辺市中三栖で

 和歌山県田辺市中三栖、尋声寺(酒井秀瑞住職)は、本堂前に来年の干支(えと)「卯(う)=うさぎ」にちなんだ大絵馬を飾った。住職の妻で、制作者の裕美さん(66)は「来年は明るく穏やかで、子どもたちが安全に過ごせる平和な世の中になるよう願いを込めて描いた」と話している。

 裕美さんは、本堂の完成を記念して1998年から、干支の大絵馬を奉納している。扇形で縦、横とも1.8メートル。一組の親子ウサギを描き、背景は元気が出るように明るいオレンジ色にし、空にはあかね雲を浮かべた。

 親ウサギは立ち姿で、周囲の様子を注意深く観察しており、子ウサギは草の中で安心して昼寝している様子を表現した。ベニヤ板に水性ペンキとアクリル絵の具を使って、約1カ月かけて仕上げた。

 親子ウサギの絵に添えた「萬法一如(ばんぽういちにょ)」は禅の言葉。あらゆる存在も全ては一体であり、「互いのことを考えながら生きなさい」という意味がある。

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