老化や肥満で発症する「変形性脊椎症」とは 後ろ足が弱る、散歩を嫌がる…病気の原因や症状、治療法まとめ【ペットドクター相談室】

相談者レオさんの愛犬のミニチュアダックスフンド(投稿写真)

高齢になり散歩に行きたがりません。歩くと時々コテンと後ろ足がへたってしまいます。どのように対応したら良いでしょうか(ミニチュアダックスフンド、レオさんの相談)【お答えします】福井県獣医師会 開業部会 あさざわ動物病院(福井県鯖江市)浅沢英幸院長

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犬や猫も、高齢化に伴い若い時のように活動的ではなくなる傾向にあります。ご質問のワンちゃんの年齢や症状にもよりますが、変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)を疑います。

変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)とは?

変形性脊椎症とは、人と同じ病気で主に胸椎と腰椎に発症し、椎体同士が橋渡しのように骨が繋がってしまう病態です。

主な原因は、老化や激しい運動、犬種、肥満などです。また、椎間板ヘルニアになりやすい犬種のダックスフント、ウェルッシュコーギー、シーズー、プードル、ビーグルなどは負荷が高く若い犬でも発症する場合があります。

主な症状は、腰を触ったり抱き上げたりする時に痛がる・背骨の中心辺りが湾曲している・後ろ足が弱って歩きたがらない・歩幅が狭くなった・太ももの筋肉が細くなった、などです。動物病院では、レントゲン撮影で診断できますが、椎間板ヘルニアや甲状腺機能低下症、腫瘍等との鑑別診断のために血液検査やCT検査を行う場合もあります。

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変形性脊椎症の治療方法、痛みは緩和できる?

治療は、重度の場合、外科療法ですがここでは割愛します。軽度~中度の場合、内科療法(薬剤投与、レーザー治療、鍼灸など)で痛みを緩和することが可能です。リハビリのため、1日短い時間の散歩を数回行います。大好きだった場所まで歩いていけない場合は、抱っこしたり、カートに乗せたりして散歩し、心身に刺激を与えることも重要でしょう。

介護用品としてトレーニング用のベルトやナックリング防止のサポーター等を使用し補助してあげることも良いでしょう。また、ソファーやベッドの上り下りは負荷がかかるのでスロープを付けましょう。滑りやすいフローリングもマットやカーペットを敷くことで歩きやすくなります。

体重が適正じゃない場合はダイエット!

適正体重ではない場合はダイエットが必須です。動物病院ではエビデンスのある特別療法食があり、計画的なダイエット計画を組んでいます。また、サプリメントも効果を示す場合がありますが、体質によっては適合しない場合も。現在飲んでいる薬との併用が可能かどうかも含め、かかりつけ獣医師にご相談ください。

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