サイバー教育の基盤拡充へ 防衛省、23年度予算案に計5億円 横須賀に「陸自システム通信・サイバー学校」

陸上自衛隊通信学校

 サイバー領域を巡り安全保障環境が劇的に変化する中、防衛省は23日、サイバー教育基盤の拡充に向けた機材整備費用など計5億円を2023年度予算案に計上した。横須賀市内に拠点を置く防衛省・自衛隊の各学校の教育・研究機能を強化し、サイバー人材育成の中核機能を担う狙いだ。

 陸上自衛隊通信学校(横須賀市)は23年度に「陸自システム通信・サイバー学校(仮称)」に改編し、サイバー防衛の専門人材を育成する「サイバー教育部(同)」を新たに編成する。23年度予算案に2億円を計上し、サイバー教育に必要な施設や機材を整備する。

 陸上自衛隊高等工科学校(同市)については、システム・サイバー専修コースに必要な機材などの整備に向けて2億円を23年度予算案に計上した。同校は男子校だが、28年度から男女共学にするとともに陸海空すべての自衛隊共同となる抜本的な改革に向けて検討を進めている。

 防衛大学校(同市)では、本科学生にサイバーに関する素養を身につけさせるため、リテラシー教育の拡充を試行する。サイバー専門教育の拡充や学外との連携を検討するとともに、研究能力の維持・向上を図るため1億円を23年度予算案に計上した。

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