覚せい剤違反の元葉山町議に求刑 「17、18歳ごろに使用」

 覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪に問われた元葉山町議細川慎一被告(41)の初公判が27日、横浜地裁(並河浩二裁判官)で開かれた。起訴内容を認めた被告に対し、検察側は懲役1年6月を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。判決は5月12日。

 被告は法廷で、17、18歳ごろに初めて覚醒剤剤を使い、逮捕の半年ほど前から頻繁に使うようになったと説明。「(覚醒剤を使うと)睡眠をとらなくてもすみ、集中力も高まった」と話した。

 今後、町議として活動を続けるかとの問いに対しては「今は失職の身で選択肢がない。今後選択の余地があるなら、判断したい」とし、公職に立候補する意向については「今は考えが及ばない」と述べた。

 検察側は論告で「町議という公的な立場にあり、有権者の信頼を裏切った」と非難。弁護側は「犯行は町議としての職務を全うしようとしたためで、酌むべき事情がある」と情状酌量を求めた。

 細川被告は最終意見陳述で「必ず更生し、その後は少しでもまた社会に役立つ人間になりたいと思っています」と頭を下げた。

 起訴状によると、被告は2月16日、横浜市中区で覚醒剤を所持したほか、同日ごろ、同区内のコンビニで覚醒剤を使用した、とされる。

 細川被告は2015年の町議選に初出馬し、トップ当選。葉山町議会は逮捕後、辞職勧告決議案を全会一致で可決。被告は勧告に応じなかったため、同議会は保釈時に被選挙権が途切れたとして「議員資格なし」として失職させた。被告はこの決定を不服として知事に審査を申し立てている。

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