原発内の構内作業で白血病など発症の2人、労災認定 厚生労働省

 厚生労働省は23日、全国の原子力発電所の構内で作業に従事し、白血病などを発症した2人について、業務との因果関係があるとして労災を認定した。東京電力の福島第一原子力発電所の事故処理にもあたっていたという。

総被ばく線量が認定の目安超える

 労災が認められたのは、いずれも東京電力の協力会社に勤め、2011年3月の福島第一原発の事故処理にも従事していた60代と70代の男性。2人は白血病と真性赤血球増加症を発症している。2人の福島第一原発内での作業による被曝ばく量はそれぞれ約60mSv(ミリシーベルト)、31mSvとなっているが、その前より全国の原発構内で作業しており、総被ばく線量の目安を超えていると判断された。

 福島第一原発では事故以降、これまで8人の作業員が白血病や甲状腺がんなどを発症し労災が認められており、今回の認定で合わせて10人となる。なお福島第一原発だけでなく、日本の原子力発電所で業務に従事した作業員の放射線被ばくによるがんの労災認定数は、今回を含め1981年以降で24人となっている。

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