宇都宮市と芳賀町が整備を進める次世代型路面電車(LRT)が試運転中に脱線した事故を受け、宇都宮市は23日、事故原因を探るための走行調査「PQ測定試験」を実施した。事故現場のJR宇都宮駅東口停留場付近の上り線をLRTが走行するのは、事故以来初めて。
PQ測定試験は、車輪がレールを縦に押す力の輪重(P)と、遠心力などにより車輪がレールを横方向に押す力の横圧(Q)から走行安全性を評価する。車両に特殊な計測装置を搭載するなどして車輪とレールの接触状況を入念に調べた。
事故現場での試験は午前10時ごろから約2時間、上下線の交差を制御する分岐器を使い、時速5キロで19パターンの試験を実施した。
市は24、26日にも同試験を行う。事故現場のカーブでは時速7キロ、10キロで測定し、速度との相関関係を調べる。車両基地から現場までの約4キロはこの日、時速15キロで走行した。26日には状況を見ながら制限速度の40キロまで速度を上げることも検討している。