【宮崎県知事選挙2022】候補者が語る自信と覚悟とは? 審判を下すのはあなた | 現地レポート(畠山理仁)

撮影:畠山理仁(編集部注:本記事の写真は全て畠山氏の撮影です)

宮崎県政史上初の「前職、現職、新人」の戦い

前職か、現職か、新人か──。12月8日にスタートした宮崎県知事選挙は、宮崎県政史上初めて「前職、現職、新人」が対決する構図になっている。

一部のメディアは「事実上の一騎打ち」という言葉を使っている。しかし、筆者はこの風潮には全力で抵抗したい。当たり前だが、当選できるのは立候補した人だけだ。立候補しない人は、どんなに素晴らしい人物であっても当選できない。定数以上に候補者が出ず、無投票になれば有権者は選択することもできない。メディアも有権者も選挙が行われる幸せを噛み締めながら、もっと候補者に敬意を払うべきではないだろうか。

2018年に行われた宮崎県知事選挙の候補者は、現職と新人の2人だけだった。この時の有権者は912,647人いたが、投票率はわずか33.90%。なんと、603,261人もの有権者が投票する権利を捨てていた。

しかし、今回は選択肢が3つに増えたことで、宮崎県民の注目度は高まっている。12月21日までに期日前投票(12月9日〜21日までの13日間の中間集計)を済ませた人は、前回の62,397人よりも多い147,187人。実に2.358倍に増えている。大切な権利を行使する人が多いのは、民主主義社会にとって極めて大事なことだ。

前置きが少し長くなったが、本題に入る。今回の宮崎県知事選挙に立候補したのは次の3人だ(届出順・文中敬称略)。

東国原英夫 65歳・前宮崎県知事
河野しゅんじ 58歳・現宮崎県知事
スーパークレイジー君 36歳・元埼玉県戸田市議

「前職」は2007年1月から2011年1月まで1期知事を務めた東国原英夫。元タレントの東国原は2012年12月から2013年12月まで衆議院議員(日本維新の会・比例近畿ブロック単独で当選。のちに離党して議員辞職)も務めた。現在の肩書は政治評論家である。

「現職」は東国原県知事時代に副知事を務めた河野俊嗣。河野は東国原の後任となる2011年知事選挙で初当選。これまで3度の知事選では圧勝を続け、3期12年を務めてきた。

「新人」は元歌手でもあり、元埼玉県戸田市議会議員のスーパークレイジー君。スーパークレイジー君は2021年1月の戸田市議選で初当選したが、2022年3月、市議選の立候補に必要な「3ヶ月以上の市内での居住実態がなかった」として最高裁で「当選無効」が確定した。スーパークレイジー君は東京都知事選挙や戸田市長選挙にも挑戦して落選したが、もともとの出身は宮崎県宮崎市である。

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