ウサギのように飛躍を 佐世保独楽 制作最盛期

来年の干支「卯」の絵付け作業を進める山本優子さん=佐世保市、佐世保独楽本舗

 佐世保市島地町の佐世保独楽(こま)本舗で、来年の干支(えと)「卯(う)」を描いた独楽作りが最盛期を迎えている。
 佐世保独楽は県指定伝統的工芸品。長く回ることから長寿、健康を願う縁起物として親しまれている。3代目の山本貞右衛門さん(64)が、ブナ科のマテバシイをラッキョウ形に削り、妻の由貴子さん(64)と長女の優子さん(33)が、干支の絵付けを担当している。
 年末から年始めにかけて、100~150個を手作業で制作。優子さんは「耳を長めにして愛らしいイメージに仕上げました。飛び跳ねるウサギのように、皆さんにとって飛躍の年になってほしい」と願いを込めた。
 新春恒例のこま回し大会は新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止となったが、優子さんは「独楽を回す文化を途絶えさせないよう、伝統を守っていきたい」と思いを語った。


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