給食費の負担、無償から月5000円まで…沖縄県内の市町村で差 財源不安定、課題も

 給食費について琉球新報が25日までに県内全市町村の保護者負担額を調べたところ、無償の所から1カ月当たり約5千円まで、ばらつきがあることが分かった。一部を補助し、保護者負担を抑え込んでいる自治体もあるが、住む場所によって負担額が異なる状況となっている。
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 無償としているのは19市町村で、財源はそれぞれ異なる。名護市は米軍再編交付金で賄う。嘉手納町など5町村は一般財源で対応。宮古島市、本部町などはふるさと納税を充てており、多良間村は一般財源から積み立てた「村過疎化対策子育て応援基金」を、与那国町は町有地にある自衛隊駐屯地の賃貸料を充てる。
 中城、与那原、渡嘉敷、座間味、久米島、竹富の6町村は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(地方創生交付金)を活用して無償化している。那覇市と浦添市も1~3月は同交付金で無償とする予定。
 一方でふるさと納税や地方創生交付金は、安定的に得られる財源とは言えず、特に地方創生交付金の次年度交付についてはまだ見通しが立っていない。交付されなかった場合、保護者負担に戻る可能性もある。
 10月から無償化となった中城村在住で2人の小学生がいる40代男性は「無償化になったり保護者負担に戻ったりと、家計が安定しない」と漏らす。3月までは確定している無償化は助かるとしつつ「安定した取り組みのためにも、県と一体となって進めてほしい」と話した。無償化をしていない市町村でも「第3子以降は無料」(石垣)、「半額助成」(東、伊江、北中城)、「2千円補助」(北谷、4月からは無償化予定)と、何らかの補助をする所もある。那覇市は、10~12月の牛乳代を市で負担し、食材高騰に対応している。
 文部科学省によると、学校給食法で、給食センターなど施設整備にかかる費用や人件費は、設置者(市町村)の負担で、その他は保護者負担と定められている。ただ、市町村が食材費を負担することに問題はない。保護者負担額は、全市町村の給食担当者に電話や対面で取材した。(嘉数陽、新垣若菜まとめ)
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