“伝統校らしい好レース披露” 女子の諫早が12位 全国高校駅伝

女子第1中継所、諫早の2区蔦野(左)が1区田中から13位でたすきを受けて走り出す=京都市

 心は熱く、頭は冷静に走り抜いた。女子12位の諫早は伝統校らしく、28度目の都大路で今年も上位争いを演じた。主将の田中は「チームが一つになって戦うことができた」と充実のレースを振り返った。
 1区に田中、2区に蔦野の二枚看板を置いて前半勝負を仕掛けた。入賞するには3区に好位置で渡すのが絶対条件。そんな中、2人がしっかりと流れをつくった。
 レース前に「同じ九州の筑紫女学園が見える位置でつなぐのが自分の役割」と話していた田中は、突っ込み過ぎず、終盤に13位まで順位を上げる有言実行の走りを披露。蔦野はライバルとの差をゼロに縮めてたすきに勢いをつけた。後半区間の差で昨年に続く入賞こそ逃したが、筑紫女学園が7位に入ったのを踏まえれば、両エースは十分に責任を果たした。
 田中、蔦野、アンカー藤丸の3年生3人は、羽山監督が「練習からバチバチに競い合える。こんなストイックな子たちを指導できて楽しい」と認める意識の高さでチームを引っ張ってきた。今回は故障明けの蔦野を気遣って、田中が1区を買って出た。藤丸もアンカーを快く引き受けるなどチームワークも良く、蔦野は「みんなに支えてもらった。走りで恩返しを」と区間3位の快走で応えた。
 優勝2回、入賞14回を誇る諫早。この日、3区を任された1年生の髙瀬は「一日中、駅伝のことを考えている3年生を見習わないといけない」とあらためて上級生の強さを知った。そんな先輩たちが残していく伝統の力と都大路に懸ける思いをつなぎ、諫早はまた来年、勝負に戻ってくる。


© 株式会社長崎新聞社