出遅れ、先行プラン崩れる 宇都宮文星女、伸び欠き26位 全国高校駅伝

文星女の4区蓬田(中央)が5区粕谷にたすきをつなぐ=京都市内

 男子第73回・女子第34回全国高校駅伝競走大会は25日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点とする男子7区間42.195キロ、女子5区間21.0975キロで行われ、女子の宇都宮文星女(3年連続5度目)は1時間12分30秒で26位だった。

 宇都宮文星女は1区深澤(ふかさわ)雫月(しずき)が24位とスタートダッシュがかからず苦しい展開。2区山田未唯(やまだみゆ)も区間27位と中位でのレースになった。3、4区の短距離区間で粘りの走りを見せて順位をキープ。最後は26位でゴールとなった。

 思い描いていた通りのレース展開ではなかった。宇都宮文星女はキーポイントだった前半区間で流れに乗れず26位。海老沢良仁(えびさわよしひと)監督は選手をねぎらいつつ「勝負にきているチームと、『何とか上にいければ』というチームの差が出た」と受け止めた。

 「1、2区でいい流れをつくる」というチームの目算は早々に崩れた。エース区間1区を担った2年の深澤(ふかさわ)雫月(しずき)は、中間の3キロ付近で形成された先頭集団から少しずつ離されていく。

 緊張で体が言うことを聞かず、終盤に待つ上りも頭をよぎって弱気に。「前に行こうという勇気を行動に移せなかった」

 駅伝主将で大黒柱の山田未唯(やまだみゆ)も順位を伸ばせない。けがや体調不良による調整不足もあり、タイムは同じ2区を走った2年前より約1分遅れ。「自分の責任。申し訳ない」と背負い込んだ。

 5人のタイムは十分に全国で通用するレベル。指揮官は「全国で勝負する精神的なたくましさ」「うまくいかない時の修正力」を指摘する。だがそれはそのままチームの伸びしろにもなる。

 共通のテーマは「楽しんで走る」。選手には悔しさの中に充実感もにじむ。3人の1、2年生は「来年はリベンジ」「次は県最高記録を」と張りのある声と明るい表情。たすきとともに、この大舞台で得たもの、感じたことを次代につなげる。

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