宙に浮かぶ真っ赤な果実が手軽に摘み取れる!ベビーカー、車いす大歓迎のイチゴ園  【にっぽん食べ歩き】

取りやすい高さで食べ放題のイチゴ=茨城県常総市

 宙に浮くイチゴ棚、床は平らなコンクリート張り。地面にしゃがみ込む必要がなく、ベビーカーや車いすでも手軽にイチゴ狩りを楽しめる施設「グランベリー大地」が茨城県常総市にオープンした。(共同通信=中村彰)

宙に浮くイチゴ棚=茨城県常総市

 この施設、通常の観光イチゴ園とは全く趣が異なる。高さ6メートルの天井を見上げると、イチゴ棚からはみ出した赤い果実と緑の葉が目に飛び込んできた。スイッチ一つで棚は摘み取りやすい高さまで降りてくる。床に緩やかな傾斜を付けているので、手の届く高さに合わせて摘み取りやすい場所でイチゴ狩りを楽しむことができる。

 栽培しているイチゴは7品種。「とちおとめ」を一つ口に入れると、たっぷりの果汁があふれ出る。「あまおとめ」は甘みが強く、果肉が柔らかで食べやすい。大粒の「恋みのり」は香り高く、甘みと酸味のバランスが絶妙だ。ほかに「やよいひめ」「紅ほっぺ」「章姫」「おおきみ」を栽培。シーズンに合った品種を楽しめる。

降りた状態のイチゴ棚=茨城県常総市

 練乳を50円で販売しているが、スタッフは「何も付けずにイチゴそのものの味を楽しんでほしいというのが本音です」と話す。

 イチゴを栽培するハウスは5棟で、延べ面積は1万7000平方メートル。日中は室温25度に保たれている。19万株のイチゴを栽培し、棚の総延長は20キロに及ぶ。 

 運営会社「大地」は同県下妻市内で観光イチゴ園を開いていたが、施設が老朽化し次の展開を検討していた。韓国でリフトを使ったイチゴ栽培が行われていることを知った吉原将成社長はすぐに現地を視察。「誰もが楽しめるイチゴの楽園を造りたい」と導入を決断し、韓国製の機材を輸入したという。

取りやすい高さで食べ放題のイチゴ=茨城県常総市

 併設のカフェでは各種のイチゴスイーツを提供している。イチゴをどの段階で食べるかが悩ましいショートケーキだが、ここの「グランベリードーム」(864円)は表面も内部もイチゴがぎっしり。心置きなくイチゴを味わうことができる。

 「グランベリーパフェ」(1980円)には15粒以上のイチゴを使用。「ミニパフェ」(858円)でも十分満足できる。「いちご団子串」(486円)は大粒のイチゴとあんこ入りのお団子が2個ずつ。甘さ控えめのあんことイチゴのほのかな酸味の相性は抜群だ。このほか、イチゴ100%のかき氷にソフトアイスを載せた「いちごのソフトクリーム」(540円)、「いちごティラミス」(486円)などを取りそろえている。

イチゴ狩りができるハウスの外観=茨城県常総市

 料金は大人平日2200円、土日祝日2500円。金、土、祝日の前日は7200個の発光ダイオード(LED)でライトアップした「夜のいちご狩り」を午後7時から開催する。予約制で大人3000円。いずれも40分間食べ放題となっている。

 ロケーションは首都圏中央連絡自動車道(圏央道)常総インターチェンジを降りてすぐ。つくばエクスプレスと関東鉄道常総線を使えば都内から1時間余りで行くことができる。

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