救急出動急増 1週間で976件 岡山市消防局 搬送体制を強化

岡山市消防局の消防車。新型コロナウイルス流行「第8波」を背景に出動件数が増えている

 新型コロナウイルス流行「第8波」を背景に、岡山市消防局は26日、管内(市内と吉備中央町)の1週間当たりの救急出動件数が19~25日に976件(速報値)となり、コロナ禍以降で最多だと発表した。病床逼迫(ひっぱく)に伴い、救急車の到着後も搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」も急増。傷病者への対応が遅れるのを防ごうと、市消防局は救急隊を1隊増設するなど体制を強化した。

 19~25日の救急出動件数は前週比154件増。気温の大幅な低下やコロナ感染者の増加が要因とみられる。西日本豪雨後に被災者やボランティアを熱中症で搬送した2018年7月16~22日の989件に次ぐ多さという。19~25日の救急搬送困難事案は、前週比19件増の34件(速報値)で過去最多となった。

 体制の強化は第7波に続き5回目。北消防署番町分署(北区番町)に26日、新たに1隊を配置した。平日の日中(午前8時半~午後5時15分)に稼働する。北消防署第2救急隊の運用時間は平日の日中から土日祝日も含めた24時間に拡大する。

 市消防局救急課は「救急搬送困難事案は今後も同水準での推移が続くのではないか。体制強化を迅速な患者対応につなげたい」としている。

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