複雑な「ふく育割」簡素化して1月4日から申請受け付け 福井県の電子クーポン、県民の不満の声受け

 子育て世帯や妊婦を対象にした電子割引クーポン「ふく育割」について福井県は12月26日、複数のアプリのダウンロードを必須としていたクーポン発行の仕組みを変更すると発表した。電子割引クーポン「ふく割」アプリと、県の子育て応援サイト「ふく育」を活用してクーポンを受け取れるようにする。1月4日午前10時から「ふく育」サイト内の専用フォームで申請を受け付ける。

 「ふく育割」は、複数のデジタルサービスをつなぐ県民向けプラットフォーム(情報連携基盤)を活用した第1弾事業で、県のDX推進の目玉事業だが、リリース開始から1カ月で抜本的な運用方針の見直しを迫られる格好となった。

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 クーポン取得には「MyDID(ふくいID)」「ふくいコンシェルジュ」「Personal-Link」の三つのアプリのダウンロードが必須となっていて、利用者から複雑な手続きに不満が出ていた。このため、情報連携基盤を活用せずにクーポンを取得できる新たな方法を用意した。

 「ふく育」サイトの専用フォームで氏名や住所を記入し、運転免許証など住所が分かる画像を添付し、「ふく割」アプリに登録しているユーザー名とアドレスを記入して送信する。その後、ふく割アプリに、3千円以上の買い物で千円の割引を受けられるクーポンが発行される。本人確認のため必須としていたマイナンバーカードは不要。

 県DX推進課は、発行方法の抜本的な変更について「子育て世帯を応援するという給付的な意味合いが強く、多くの方に利用してもらうための措置」と説明。「情報連携基盤は個人に合ったサービスを提供できる」と意義を強調した上で「三つのアプリを統合できないか改善を進めている。今後も基盤を活用したサービスを提供していく」としている。

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