アイシン、子どもの車内放置検知システム実証を愛知県刈谷市で開始

株式会社アイシン(以下、アイシン)は、愛知県刈谷市が推進する「刈谷スマートシティ」の取り組みの一環として、「子どもの車内放置検知システム」の実証実験を開始した。12月22日付のプレスリリースで明かしている。

昨今、乗用車や施設の送迎バスにおいて車内に取り残された子どもが熱中症で亡くなる事故が後を絶たず、世界的に重大な社会課題となっている。また、このような痛ましい事故を防ぐために、国内外で装備義務化への動きが加速している。このような中、国土交通省は12月20日、送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインを策定した。

国交省、送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドライン策定

国土交通省は、送迎用バスの置き去り防止を支援する安全装置のガイドラインを策定した。12月20日付のプレスリリースで明かしている。送迎用のバスに置き去りにされた女児が死亡するという事案が、2022年9月に静岡県で発生した。同省では、当該事案への対策を検討する関係府省会議(第4回・10月12日)...

同実証では、子どもを送迎する施設のバスに、センシングによる検知・通報、運転手に点検を促す仕組み、園児自ら救助を求める「助けてボタン」 の3つの手段を組み合わせた専用システムを装備する。そして、実際の運用を検証しながら実用化に向けたさらなる改良や精度の向上につなげる。

同システムの特長は、要となるセンサーに薄型ミリ波レーダーを採用していることだ。このため、対象物を把握する解像度が非常に高い。センサーから得られた情報は、対象物の位置を示すドットデータとして集積され、子どもが呼吸するときのわずかな胸の動きを検知し生体反応としてとらえる。これにより、子どもとそれ以外のものを的確に識別することができる。

なお、同社は、今後今回のシステムを後付け可能な商品として販売していくことを検討しているという。そして、必要な場所にはやく適切に届け、安全・安心な社会づくりに貢献すると述べている。

実証実験のイメージ2

(出典:アイシン Webサイトより)

© 株式会社自動車新聞社