国際舞台で快進撃 スペイン拠点に、プロへ始動 テニス界ホープの16歳 文星芸大付高の本田尚也

オレンジボウル決勝のスコアボードを指さす本田=米フロリダ州(本人提供)

 本県テニス界のホープ、本田尚也(ほんだなおや)(宇都宮市出身、文星芸大付高2年)が国際舞台で躍進を続けている。11月にトルコで行われたジュニアデビスカップ(デ杯)では2年連続の日本代表として7位入賞に貢献。米国で今月11日まで行われた「オレンジボウル国際選手権」は16歳以下の部で男子シングルスとダブルスを制し、日本人男子初となる2冠を達成した。9月に名手ラファエル・ナダル(スペイン)が主宰するアカデミーに入門し、スペインに拠点を移した16歳は「将来はプロとして世界を回りたい」と青写真を描いている。

 オレンジボウルは75年の歴史を持つ世界の舞台への登竜門的な国際連盟(ITF)のジュニア最高グレードトーナメントで、グランドスラムに次ぐビッグタイトル。歴代優勝者にはジョン・マッケンロー(米国)やロジャー・フェデラー(スイス)といったレジェンドが名を連ね、日本人では2003年に14歳以下シングルスで錦織圭(にしこりけい)が準優勝している。

 世界ランキング上位ら64人が出場したクレーコートの大会で、第5シードの本田は3回戦まで相手を圧倒。ブラジル選手との準々決勝は苦戦したが「相手の苦手な高めのバックハンドを狙って」勝ち切った。

 準決勝は完勝、決勝は6-3、6-4の戴冠。「これだけ大きい大会で優勝できたことは自信になる」と振り返り、「大事な場面で集中できた」と精神面の成長を実感する。32組が出場したダブルスは米国選手と組んで第2シードで臨み、1セットも落とさず頂点に立った。

 得意とする両手バックハンドのストレートで流れを引き寄せるストローカーだ。「ラリーなら絶対に負けない」と強い気持ちでコートに立つ。「さらに上のステージで戦うために」とサーブとボレーの強化にも取り組んでいる。

 一方、アカデミーは2週間の合宿に参加し、技術などがコーチに評価されて“入学”。プロ選手も交じる最上クラスの上位グループに所属し、「ナダルと練習できることが大きな刺激になっている」と目を輝かせる。

 今はITFジュニアツアーを転戦するが、23年からは一般ツアーの「ITFフューチャーズ」参戦も視野に入れる。22年を締めくくる大会でこれ以上ない結果を出し、23年は「ジュニアグランドスラムの出場と勝利」を目標に掲げ、早くも1月から始動する。

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