新社会人や学生の車選び、商談早くもスタート…新車納期遅れが影響、福井県内の販売店「早めに相談を」

新車の納車時期の目安を示すディーラーのパネル。納車まで1年以上待ちや、バックオーダーを抱え受注を停止する人気車種も=12月15日、福井県坂井市丸岡町高柳

 半導体不足などが原因で長引く新車の納期遅れの影響が、福井にも影を落としている。車社会の県内では例年、春から車を必要とする新社会人や学生が年明けから販売店を訪れるが、ここ1、2年は購入を検討する時期が3カ月ほど早まっている。中古車を含め供給台数は不足気味で、県内販売店は「4月から車が必要な人は早めの問い合わせを」と呼びかけている。

免許取得前に試乗し契約するケースも

 「(納期遅れの)ニュースを見て、お盆の帰省に合わせて車を見に来たお客さまもいた」と話すのは、ホンダカーズ福井敦賀野神店の南部陽一店長(50)。コロナ禍前は、就職や進学に合わせた購入者が増えるのは年明けからで「初売りセールめがけて来店する親子が多かった」。ただ、ここ1、2年は「秋ごろに商談に来る人が増え、かなり前倒しになっている印象」という。免許取得前の高校生が親と訪れ、助手席で「試乗」して契約したケースもあったという。

⇒世界的な半導体不足、なぜ

 トヨタカローラ福井では、就職や進学に合わせた納期の相談を行っている旨を新聞広告に掲載。既に契約した顧客も複数いる。人気車種は納車まで1年以上かかったり、生産待ちが多く受注を停止していたりする場合もある。同社丸岡店の西川裕介店長(40)は「生産が追いつかず心苦しい」と困り顔。在庫を確保しづらいのが実情で「『春から子どもの車が必要』と聞いていた顧客には、早めに声かけをした。必要な人は1日でも早く相談してほしい」と呼びかける。

⇒中古車市場の状況は…確実に購入したい人に助言も

© 株式会社福井新聞社