<わがまち回顧2022> 諫早支局 諫早大水害65年 備え模索

本明川流域の地区タイムライン策定に向け、意見を出し合う関係者=諫早市役所

 長崎県諫早市中心部を流れる本明川などが氾濫し、630人の死者・行方不明者を出した1957年7月25日の諫早大水害から65年となった今年、災害に備えた新たな試みが始まった。
 市はNPO法人「街づくり・防災諫早」と業務委託契約。民間のノウハウを生かした啓発事業を始動させた。災害時の施設利用協定を結んだ国立諫早青少年自然の家とは5月、住民避難訓練を実施。協定施設との合同訓練は初めてだった。
 住民側も模索を続ける。11月には本明川流域の計25の自治会・町内会が、同市では初めてとなる地区レベルの防災行動計画(タイムライン)策定に向けた検討会を発足。市自治会連合会の古賀文朗会長は「自分たちの命は自分たちで守るという意識につなげ、諫早を防災の先進地にしたい」と話す。官民が連携して大水害の記憶をどう継承し、防災教育、まちづくりを進めていくか。体験者の高齢化が進む今、正念場にある。
 主なニュースは▽国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防開門確定判決を巡る請求異議訴訟差し戻し控訴審で「非開門」判決▽「ゆめタウン諫早」(仮称)を核とした地区計画提案を市が採用▽千々石ミゲルの墓所推定地を発掘調査した民間団体が「夫妻の墓所と確定」と発表▽轟峡が部分再開▽京セラが南諫早産業団地への進出を発表 


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