「リニアは存亡の危機にある」川勝静岡県知事が“持論”展開 水資源、膨大な電力消費…問題解決できない国の動きを問題視

リニア開業後に東海道新幹線の静岡県内停車本数を増やせるかについて、国が調査に乗り出すと発表しました。開業のメリットを静岡県民に示すのが狙いですが、川勝平太知事は「リニアは存亡の危機にある」と持論を展開しました。

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「リニアは存亡の危機にある」と持論を展開する川勝平太静岡県知事=12月27日撮影、静岡県庁

<斉藤鉄夫国土交通大臣>

「本日、総理にリニア中央新幹線の現状について説明しました。リニア開業後の東海道新幹線の需要動向に基づく、静岡県内駅の停車頻度の増加の程度や時間短縮効果の可能性について年明け早々から調査を開始すると説明したところ、総理からは『しっかり取り組んでもらいたい』との言葉があった」

斉藤国土交通大臣は12月27日の会見で、リニア新幹線の開業後の東海道新幹線の静岡県内の停車本数の増加や時間短縮効果について、2023年1月にもJR東海と連携して調査を始めることを明らかにしました。

静岡県は、水資源や生態系への懸念から静岡県内の着工を認めていませんが、開業のメリットを示すことで静岡県民の理解を得たい考えです。

この動きに対し、川勝平太知事は12月27日に開かれた2022年最後の定例会見で記者からの質問に答えました。

<川勝平太静岡県知事>

「リニアが開通した暁には、(新幹線の)ダイヤがどのように変わるか、夢物語のことをいう前に、いま、リニアが直面している問題。私はリニアはいま、存亡の危機にあるという認識を持っている」

川勝知事は水資源などの問題が解決できていない中での国の動きを問題視。その上で、リニアの運行に膨大な消費電力がかかることや建設資材の高騰などを理由に”リニア不要論”ともいえる持論を展開しました。

<川勝平太知事>

「むしろ、いかにしてリニアを救うかを考えねばならない。(リニアが)もういらない状況ができつつある中で、いかにして(リニアの技術を)残すかということも考えなくちゃいけない」

一方で、川勝知事はリニア建設を促進する期成同盟会にも加盟していて、今回の発言が波紋を呼ぶ可能性があります。

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