サメの競り市 一年終わりの風物詩 威勢良く掛け声 一印上越魚市場

 一年の終わりを告げる「サメの競り」が27日、上越市木田3の一印上越魚市場で行われた。

次々と競り落とされるサメ。例年より身質も良いという

 スーパーのバイヤーや鮮魚店主らが集まり、ぶつ切りにされたサメを次々と競り落とした。サメはおせち料理向けの切り身や煮こごり、フライや煮物などの総菜となって店頭に並ぶ。
 同日はモウカサメ18本、切り身にして約70個が並んだ。仕入れ値は燃料高などを反映し、例年より1割程度高めとなった。並んだのは全て雄のサメ。雄は身の栄養を卵に取られることがないため、雌に比べて味が良いとされる。
 競りでは、競り人の「これいくら」という威勢の良い掛け声と市場独特の値決めのやり取りの声が響いた。同市場の尾崎徹社長によると、最も高いもので1キロ当たり3000円で取り引きされた。平均でも1キロ2000円程度で「昨年より1割程度高い」(尾崎社長)という。
 上越のサメ食文化は江戸時代から続くとされる。競りの様子を学生と見学した、上越教育大大学院の光永伸一郎教授は「サメを食べる文化は貴重だ。長く続いていってほしい」と話していた。

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