政府、来春にも新型コロナを「5類」に変更検討 公費負担は変わらずか

 政府が来春にも、新型コロナウイルス感染症の感染症法での位置付けを、季節性インフルエンザと同じ「5類」へ変更する方向で検討していることが分かった。変更後も当面は医療費の公費負担は変えない見通しだ。

年明け以降に本格検討

 現在新型コロナウイルスの感染状況は「第8波」と言える状況だが、政府は先日まとまった調査で、致死率が季節性インフルエンザとほぼ同じ水準まで低下してきていることなどから、感染状況を見極めながら来春以降に感染症法上の類型を変更する方向で検討に入った。年明けに岸田首相も含めた政府首脳で本格的に検討する。

 現在、新型コロナウイルスは感染者に行動制限(自宅療養)を求めたり、入院を勧告できる「新型インフルエンザ等感染症(2類)」相当とされている。医療費負担は公費負担となっているが、5類に変更するとその根拠がなくなり自己負担が発生する。そのため政府では公費負担について、当面は経過措置として続ける方向で検討している。

 この政府の方針に対して、一部の専門家らは、毒性は弱まったものの感染力は季節性インフルエンザを上回っていて、そのぶん絶対数としての死者が多いことを懸念しており、5類に変更しても医療提供体制の確保要請やワクチン接種費用の公費負担継続を続けるよう求めている。

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