「誰ひとり取り残されない社会」の推進に必要なことは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。12月21日(水)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、デジタル技術を活用した“誰ひとり取り残されない社会の実現”について取り上げました。

◆デジタルで誰ひとり取り残されない社会の実現へ…

河野デジタル担当大臣がAI技術を使った視覚障害者の歩行をサポートするシステムを体験。このシステムは、首から下げたスマートフォンのカメラが障害物や信号を認識し、自動音声で知らせるほか、オペレーターと繋いで買い物のサポートを受けることも可能です。

今回の体験を通して、河野大臣は「ぜひデジタル技術で社会を良くしようと思っている人に、どんどんデジタル技術を使ったいろんなことにチャレンジしてほしい」、「誰ひとり取り残されないデジタル社会の実現に向け、さまざまな取り組みをしっかりバックアップしていきたい」と述べました。

◆AIやテクノロジーが障害者の課題解決の一助に?

キャスターの堀潤は、「大臣が発信力を発揮すると、社会の情報伝播にも繋がる。河野さんはどの分野の省庁の大臣になってもこうしたことを欠かさずやるので、とてもわかりやすい」と河野大臣の取り組みを評価。さまざまな事情で障害者などへのサポートが十分にできていない地域に対し「地域の課題をAIやテクノロジーが解決してくれれば」と期待を寄せます。

政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さんは、2021年にデジタル庁のサービスに事業者として携わっていたそうで、その際の実感として「デジタル庁は、誰も取り残さないことをすごく大事にしている」と語ります。例えば、サービスを作るにしても、皆が使いやすいかチェックが入り「アクセシビリティ(近づきやすさ・利用しやすさ)を大事にしていた」と振り返ります。

事業者としては大変な部分が多々あったものの、「マイノリティが尊重され、彼らが使いやすいようにすると、自分も含め他のマイノリティの方も使いやすくなる」と伊藤さん。さらには「マイノリティが尊重されていると、社会全体の波及効果も大きい。当然大変なこと、トレードオフ(両立できない関係)になることもあるが、自分自身、そして会社としても意識してやっていきたい」と気を引き締めます。

アフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんは「技術でジレンマを解決するのは素晴らしいこと」と称賛する一方で、「同時にハレーションが起こると思う」と推察。

「河野大臣が体験したシステムを使っている人を目の当たりにしたときに、どうしていいのかわからなくなるのでは」と問題提起。阿部さんは「こうした技術を必要としない人も体験し、その使い心地などを知ることが大事」と主張します。

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、伊藤さんが挙げていた"アクセシビリティ”に関して言及。例えば、インターネット、SNS上の画像ひとつとっても、そこにalt属性(オルト属性)、つまり文字で説明が添えられていれば、それだけで読み上げることができると説明。能條さんは「同じ情報にアクセスするにしても、自分たちがちょっと工夫すればもう少し良くなることはたくさんあると思う。そういう意味では知り続けることが大事」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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