パイレーツがヒルと1年800万ドルで合意 来年43歳のベテラン左腕

メジャーリーグ公式サイトが関係者から得た情報によると、パイレーツはレッドソックスからフリーエージェント(FA)となっていた左腕リッチ・ヒルと1年800万ドルの契約を結ぶことで合意に至ったようだ。ベン・チェリントンGMは今月中旬にビンス・ベラスケスを獲得したあと、さらなる先発補強を目指す方針を明らかにしていたが、その通りの動きとなった。1980年3月11日生まれのヒルは、アルバート・プホルス(1980年1月16日生まれ)の引退によって現役最年長選手となっており、来年3月に43歳の誕生日を迎える。

ヒルは今季レッドソックスで26試合に先発して124回1/3を投げ、8勝7敗、防御率4.27、109奪三振を記録。30代後半を迎えてから開花した遅咲きの選手であり、3年連続2ケタ勝利(2016~18年)を挙げたピーク時のような活躍を期待するのは酷だが、2021年にレイズとメッツで合計32試合(うち31先発)に登板して158回2/3を投げ、7勝8敗、防御率3.86、150奪三振をマークしたように、先発ローテーションの一角を担うことができるレベルの実力を現在も維持している。

パイレーツは新加入のヒルとベラスケスのほか、23歳のロアンシー・コントレラス、26歳のミッチ・ケラー、29歳のJT・ブルベイカーの5人で先発ローテーションを形成するとみられており、ほかにも来年1月に24歳となるルイス・オルティス、来年3月に25歳となるヨハン・オビエドらが候補。さらに、有望株のクイン・プリースター(22歳)やマイク・バローズ(23歳)も控えており、今季のホセ・キンタナがそうであったように、経験豊富なヒルが彼らに与える影響力の大きさは計り知れない。

もしヒルが前半戦で好成績を残すようであれば、今季のキンタナと同様に、トレード・デッドラインで他球団の有望株と交換することもできる。若手投手のメンターとしても、夏場を見据えたトレード要員としても、パイレーツのチーム状況にフィットする補強になったと言えるのではないだろうか。

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