<新型コロナ>埼玉県「レベル3」に 確保病床使用率78.2%、救急搬送も増 感染対策の徹底呼びかけ

埼玉県、感染状況をレベル3に移行

 大野元裕知事は27日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染状況のレベル分類をレベル2「感染拡大初期」から3「医療負荷増大期」に引き上げると発表した。確保病床使用率が26日時点で78.2%に上り、救急搬送件数も25日までの1週間で1037件だったことから「(感染の)第7波のピークに近づいた」として総合的に判断したと説明。年末年始には「帰省や初詣などで普段会わない人との接触の機会が増える」として、感染対策の徹底を呼びかけた。

 レベル3では▽感染対策で高齢者の命を守ること▽抗原定性検査キットの事前購入▽帰省前後の検査―の3点を県民に求めた。特に、忘年会や新年会、成人式などの年末年始のイベントについて注意喚起し、年内のワクチン接種や認証を受けた飲食店の利用など従来の要請を繰り返した。

 一方で、発熱外来への県のアンケートでは16日までの5日間で「逼迫(ひっぱく)している」との回答は47.6%で、第7波のピークの74%を下回った。レベル3の状況にある都道府県は、地域の実情に応じて「医療逼迫防止対策強化宣言」などを出すことができるが、大野知事は「現時点では出すつもりはない」とした。病床の体制も当面、現在の1639床の状況が維持される。

 休診となる医療機関が増える年末年始に発熱などの症状が出た場合については「12~64歳で基礎疾患、妊娠がない場合は解熱剤や検査キットを事前購入し、自分で検査を」と話し、県のオンラインの確定診断登録窓口の利用を促した。12歳未満、65歳以上は県ホームページ上で医療機関を探し、直接受診する。

 検査キットを事前購入できず、発熱や濃厚接触でどうしても検査が必要な人には、1月1~3日の間、県の地域振興センター9カ所と保健所設置市でキットを配布する。電子申請システムで申し込み、発熱などの症状のない家族や知人が取りに行く必要がある。各センターに1日200~300個しかないため、県国保医療課は「極力、事前購入で備えをしてほしい」と話している。

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