航路・空路運賃の島民割引 介護帰省者にも拡大 本土からの親族「準島民」対象に

介護帰省者を島民割引の対象に拡大したことを知らせる自治体のホームページ

 五島列島や壱岐、対馬で実施している航路・空路運賃の島民割引の対象が、家族の介護で島に帰省する親族にも拡大した。各市町に申請し、要件を満たせば「準島民」として運賃割引の対象となる。割引を受ける際に必要なカードの発行が11月から今月にかけて順次、各市町で始まっている。
 国は2017年度から、国境離島新法で特定有人国境離島地域に指定された島民を原則対象に、航路運賃をJR並み、空路運賃を新幹線並みにそれぞれ引き下げる交付金制度を運用。介護帰省に関する負担が減らせるよう、同地域の長崎県などの自治体が対象拡大を要望していた。
 島民割引の対象となったのは同地域の五島、壱岐、対馬各市と新上五島、北松小値賀両町、佐世保市宇久島・寺島、西海市平島・江島に住む要介護または要支援の認定を受けている父母(配偶者の父母も含む)やきょうだいなどの介護のため、年6回以上、本土から帰省する人。
 各市町の窓口やホームページで申請書を入手し、要介護または要支援の認定を示す書類のほか、戸籍謄本など親族関係が分かる書類などと合わせて提出する。対象期間は1年間で、更新もできる。
 準備中の佐世保市を除く6市町で11月から今月にかけ、申請受け付けを開始。このうち五島市は11月から今月27日まで、計37人に「準島民カード」を交付した。
 市商工雇用政策課によると、長崎市など県内をはじめ、福岡県や関西からも申請があったという。同課は「家族の介護で島を往来する人に有効活用してもらいたい」と申請を呼びかけている。

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